かつてアレシャンドレ・パトやルイス・ファビアーノ、アクセル・ヴィツェルらが所属したことで知られる天津天海。
2018年までは『天津権健』と名乗ってAFCチャンピオンズリーグにも出場するなど中国屈指の金満クラブとして戦っていた。鹿島アントラーズとの試合も行っている。
ところが2018年12月、オーナーであった製薬会社の権健グループがマルチ商法や違法な広告を展開したとして中国政府に摘発されてしまう。
権健グループの会長であるシュー・ユーフイ氏は逮捕され、女子チームの大連権健は給与を支払えなくなり解散。天津権健は地元のサッカー協会に運営が引き継がれ、天津天海と名を変えて運営されていた。
昨季は14位で残留を勝ち取ったものの、シーズン終了後は13名の選手が退団し、補強は一人もなし。新型コロナウイルスの問題でリーグ開幕も延期され、経営を圧迫していた。
そして5日に天津天海は公式声明を発表。中国超級リーグを戦える準備が整っておらず、新しい所有者に0円でクラブの運営権を譲渡すると宣言したのだ。
なお、『sportbusiness』によれば、クラブの資産価値はおよそ9900万ドル(およそ104.9億円)。
その一方で1億4500万ドル(およそ153.7億円)の負債を抱えており、新たなオーナーにはこれを返済する必要がある。
販売の期限は3月14日となっており、これまでに新しいオーナーが決まらなかった場合クラブの解散、あるいはアマチュアへの降格処分が言い渡される可能性が高いという。