沖縄のサッカーと小野伸二獲得

――サッカーの視点で見たとき、沖縄はどういう場所ですか?

環境は間違いなく良いです。年中サッカーができて、芝生のグラウンドがこれだけたくさんあって。

でも、沖縄の子供たちって実は一番全国で外に出ていないんです。日本で一番外遊びをしない比率が高くて。親が共働きで、親と子が接する時間がなくて、親が親戚に預けて子供たちが家でテレビを見ているとかゲームをしているとか。もったいないんですよね。

――となると、そういう子供たちにサッカーをやってもらうための何かが必要?

スタジアムへ来てもらうことと、僕らが夢を見せてあげること。「サッカー選手はこんなに夢があるんだよ」ということを示してあげることが大事かなと思います。

――沖縄のクラブとしては最近、沖縄SVが出てきています。彼らのことはどう見ていますか?

シーズン中は大学生としかなかなかできません。そこで点差をつけて勝ってばかりでもあまり意味がないので、普段から強度の高いゲームをする意味でも、沖縄SVのような存在が出てきてくれたほうが我々としてありがたいです。

高校もそうなのですが、強豪校がたくさんあって練習試合ができる環境がないと、全国に行って結果を残すことは難しいですからね。

――サポーターからは「ライバルチームが欲しい」といった声も聞きます。

僕はあまり敵味方で煽ることは好きではないんですよね。スポーツは競技を越えて、お互いのリスペクトだと思っています。昔、ジュビロ磐田が残留して対戦チームが拍手を送ったとか、そういうのがJリーグの良さだと思うんです。

――今シーズンのチーム、開幕戦の印象はどうでしたか?

ボールを持てていてよかったと思いますが、あの内容なら勝ってほしかったですね。

まあでも、面白いと思います。やり続けていくことですね。見ていて面白いことは大事です。

――昨年、小野伸二選手がチームに加入しました。獲得した経緯は?

北海道コンサドーレ札幌であまり試合に出場できていなかったのと、沖縄の地で何かしたいという彼のモチベーションがあって、そこの2つですね。

「沖縄をサッカー王国に」という言葉もありますけど、そういう思いで来てくれました。

――実際に彼のプレーを見てどうでしょう?

僕もそうですし、同世代なので、そういう選手が身近にいるというのが見ていて面白いです。18歳でワールドカップに出ていますからね(笑)。