音楽のグループやお笑いコンビなど、伝説的な人気を誇った有名人たちが実はそれほど仲が良くなかったというケースは決して珍しい話ではない。

サッカーの世界においても、阿吽の呼吸でプレーし「黄金コンビ」などと呼ばれている選手たちのなかには、公私共に仲が良い組み合わせもあれば、私生活では全く接点がない選手たちも存在する。

そこで今回は、「不仲説」を囁かれた一方、ピッチでは素晴らしいコンビネーションを発揮した選手たちを特集してみよう。

ロマーリオ&ベベト(ブラジル)

王様ペレの時代に3度ワールドカップを制し確固たる地位を築き上げたブラジルだが、1994年大会の前評判は低かった。

1980年代、ジーコら“黄金カルテット”を擁しながら優勝ができなかった彼らは、華やかさよりも堅実さの路線に舵を切っており、その魅力的な攻撃サッカーは鳴りを潜めていたのだ。

その前評判を覆したのが、大会最優秀選手に輝いたロマーリオ、それを支えたベベトのコンビであろう。破天荒なロマーリオと敬虔なクリスティアンだったベベトの間には性格的に大きな溝があった。

しかし“ビジネスパートナー”と割り切っていた二人の相性は抜群で、ブラジルは決勝でロベルト・バッジョ擁するイタリア代表を下して4度目の世界一に。ロマーリオ、ベベトの二人は当時「世界最強の2トップ」と絶賛された。