――今季の川崎フロンターレはACLや東京五輪の影響もあり、6月から9月までの約3ヶ月、ホームゲームがまったくできませんでした。アウェイ連戦、しかも季節は夏。やはりきつかったですか?

僕自身は、9月26日の湘南ベルマーレ戦で4ヶ月ぶりにホームで試合をしました。なかなか1シーズンでそれほど開くことはないです。体が回復しきれず、どうしてもパフォーマンスは落ちてきますし、集中力も続かなくなってきます。

日本代表に選ばれ、9月には海外遠征もして、かなり難しいシーズンにはなっていますが、それも経験の一つです。自分がもっと強くなるためには必要なことだと思っています。

チームみんなで助け合いながらここまで来ることができているので、ラスト2ヶ月、みんなで頑張っていきたいと思います。

――山根選手は代表活動で抜けた6月の横浜FC戦以外、ほぼフル出場を続けています。怪我をしないために注意していることなどはありますか?

試合が終わったらリカバリーをしっかりやって、次の試合に向けて少しでもエネルギーをためています。

ただ、僕も決して怪我をしていないわけではないです。「もうできないだろう」と自分で思うくらい痛い時も正直ありましたし、体が言うことをきかないこともあります。そういう時に、いかに踏ん張れるかどうかだと思っています。

――ACLではグループステージ全勝だったにもかかわらず、同じく全勝の蔚山現代とアウェイでの一発勝負。ツキがなかったように感じますが、PK戦で敗れたあの試合の印象はどうでしたか?

全勝で相手が蔚山といったことはあまり関係ないと思っていて、結局優勝するためにはどこかで当たらなければなりません。そこの言い訳を考えている選手は川崎には一人もいないと思います。

ただ、韓国への移動の制限や、移動をしてからも制限が厳しかったですし、怪我人の多さなど色々なハプニングがありました。

それでも勝つつもりで自信をもって僕たちはやっていましたが、120分で決着をつけることができず…。PK戦での敗戦は残念でしたけど、みんながやれることをやったと思います。

結果としてACLで敗退しましたが、僕はあの試合から、川崎フロンターレに抱く印象が変わったんです。

蔚山戦は相手に攻め込まれる時間がかなり長かったのですが、みんなで常に声をかけ合いながらプレーすることができました。綺麗なサッカーではないですが、次に進むために、今、誰が何をしなければならないのか。

全員で意識をつなぎ合わせながら目の前の試合に勝つというのはどういうことなのか、体現できた試合だったと思っています。

帰ってきてからの5連戦は、あの蔚山戦があったからこそ逆転することもできました。最後のFC東京戦もめっちゃ攻められましたけど(笑)、無失点で終えることができました。蔚山戦の敗退は残念でしたが、クラブにとっては大きな経験となり、今があると思います。