佳境を迎えたワールドカップ最終予選。ルーマニア代表は勝点差1でプレーオフ行きを逃し、本大会行きが消滅した。
ただ、リヒテンシュタインとの最終戦では、未来を担う若手が代表デビューを果たした。弱冠15歳のエネス・サリだ。
ルーマニア1部リーグのファルル・コンスタンツァに所属する彼は2006年生まれという若さながら、すでにプロ初ゴールも決めている。
サリはカナダのトロント生まれながら、ルーマニアの市民権を持つ。攻撃的MFとしてプレーしており、11歳の時にバルセロナのカンテラに引き抜かれた。だが、バルサがFIFAから処分を受けた件により、退団を余儀なくされる。その後、ルーマニアのレジェンドであるゲオルゲ・ハジが彼の父親を説得して、サリをルーマニアにある自らのアカデミーに連れてきたそう(ハジはサリがプレーするファルル・コンスタンツァの監督兼オーナー)。
そのサリはリヒテンシュタイン戦の後半37分からプレーし、15歳と8か月と22日という同国史上最年少デビューを記録。あのマルティン・ウーデゴールを上回り、欧州選手として史上最年少で公式戦に出場した選手にもなったという。
『GSP.RO』によれば、0-2で勝利した試合後にはこう述べていたそう。
エネス・サリ
「気分は最高ですよ。このユニフォームでデビューできて光栄です。
子供の頃から夢見ていたので、夢が叶ったと言っても過言ではありません。
僕がルーマニア代表を選んだのは、それが最善の決断だったからです。嬉しいですよ。
できるだけ長くルーマニアのためにプレーしたいです。メンバーには入りましたが、プレーするかどうかは分かりませんでした。
正直、ちょっと緊張していました。でも、ピッチに入った時には何もありませんでした。最高の気分でしたし、チームメイトたちもとてもよくしてくれましたよ。
ロッカールームは悲しみに暮れていました、残念ながらプレーオフに進めなかったので。でも、僕たちは頭を上げて、前に進む必要があります。
(W杯出場が)僕たちの夢なので、それを叶えるためにベストを尽くしていきます」
彼はカナダやトルコでもプレーできたが、ルーマニアを選択した。
【動画】これで15歳か!童顔エネス・サリのえげつないプロ初ゴール
なお、ルーマニアが敗退したグループJは、ドイツがW杯出場、北マケドニアがプレーオフに進んでいる。