「(3年間のアフターケアに至った経緯は)
サポートの期間は偶然思い付いたものではありません。
選手たちがいつ、どのように、なぜ我々のサポートを必要とするのか。その根拠をクラブ内のワーキンググループに検討させました。
例えば、退団した後の気持ちや課題は選手たちによって異なります。
すぐに他のクラブが見つかる選手にはサポートは必要ありません。トライアルを受けたり、フルタイムの選手になるために試行錯誤するケースもありますが、問題はないでしょう。
それ以外に、うちには戻ってきたくないという選手もいます。まだここに立場がある選手は『近しい人間たちばかりがいるクラブに戻る』とは言い出しにくい。残念なことではありますが、戻ってくることには恥ずかしい要素もあるんです。
いま何をしているのか、所属クラブはあるのか、などと聞くことは非常にデリケートで、放出された選手たちにとっては非常にネガティブなものになります。
だから、彼らはクラブやそこで働く人たちから距離を置くことで、恥ずかしさから逃れていることが多いのです。
我々はそれを打ち破らなければいけません。サッカーが好きなら、プレーする以外にもこのクラブで新しい道があると、素晴らしいチャンスがあるとアピールしなければいけません。
メディカル、アナリスト、スポーツ科学、テクニカルディレクター、コーチ、指導役、選手サポート、マーケティング、メディア担当、グラフィックデザインなど無限にあります。
我々はサッカーを愛する選手たちともう一度携わることを続けることで、クラブでプレーする以外にも人生の道があることを示そうとしているんです」
引退したユース選手を見捨てない!プレミアクラブが「引退後3年ケア」を初導入したワケ
Text by 井上大輔(編集部)
神奈川県出身。もともとは野球小僧だったが、1998年W杯をきっかけにサッカーにも熱中。ウイイレなどのサッカーゲームにも、ドはまりした。好きなリーグはよく見ていたリーガ・エスパニョーラ。
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