「メルカリで『ジーコサッカー』を買い漁っている知り合いの男性がいるんだけど」

知人からこんな連絡を受けたのは、3月某日のことだった。

読者の皆さんは『ジーコサッカー』をご存知だろうか。

今からおよそ30年前、Jリーグが開幕した当時は空前のサッカーブームで各社がこぞってサッカーゲームの開発に乗り出した。まだ『ウイニングイレブン』が発売される前の時代のこと。『プライムゴール』や『エキサイトステージ』などは筆者にとっても思い入れのあるゲームだ。

1994年3月4日にエレクトロニック・アーツ・ビクター(現エレクトロニック・アーツ)から発売されたスーパーファミコン用ソフト、『ジーコサッカー』もその中の一つだった。

『ジーコサッカー』はブラジルの英雄ジーコが鹿島アントラーズに所属していた頃に発売された

このゲームの存在は筆者も当時から認識していた。ただプレイしたことはなく、それが『FIFA』シリーズを開発したEAから発売されていたことも全く知らなかった。

大多数のサッカーファンもおそらくはそれくらいの認識なのではないかと思う。

そんな『ジーコサッカー』を2022年の今、売り買いを繰り返している人物とは一体何者なのだろうか。なんだか面白そうだったので知人を介しこの謎の男性に話しを聞いてみることにした。