2022シーズンを戦うガンバ大阪の台所事情は、控えめに言っても「最悪」といっていいだろう。

開幕直後にエースFW宇佐美貴史が右アキレス腱断裂で今季絶望に。さらに守護神の東口順昭、続いて主将MF倉田秋が負傷離脱し、5月14日に行われた柏レイソル戦の直前には合計7選手の新型コロナウイルス感染が発表された。

こんな状態で苦しまないほうが難しい。それでも彼らはJ1リーグ4位と好調の柏を敵地で1-0で下し、今季初の連勝を飾るとともに順位も10位へと浮上している。

そんなチームを率いるのは、昨年まで大分トリニータを6年間率いた片野坂知宏監督だ。

大分では最初の3年でJ3からJ1へと2段階昇格すると、J1昇格後も旋風を巻き起こし、J1からJ3まで全てのリーグ優秀監督賞を受賞。その独特な戦い方により「カタノサッカー」と称される知将である。

チームは5月21日にはセレッソ大阪との「大阪ダービー」を迎える。今回は、そんなG大阪の現状と「カタノサッカー」の浸透度を紐解いていこう。