2大会ぶりにワールドカップの舞台に戻ってきたオランダ代表は、セネガルとのグループステージ初戦に0-2で勝利した。
この試合では歴史的な出来事があった。28歳のGKアンドリス・ノパートが先発起用されたのだが、なんと彼はこの日が代表デビュー。これまで代表戦でプレーしたことは一度もなく、W杯で代表デビューするのはオランダ代表史上2人目のことだった。
203cmの長身を誇るノパートだが、2020年夏から2021年1月までは所属クラブがなく、キャリアが断たれかけていた。
また、控えGKとしての時期が長く、まだプロでの試合出場は51試合しかない。しかも、そのうち34試合はこの1年間のもの。昨季も控えだったが、正GKのミスでチャンスを得ると、守護神の座を掴み取った。
オランダ代表とは無縁の存在だったが、そこからW杯のピッチに立つまでになったのだ。
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いきなりの大舞台だったが、チームが苦戦を強いられたセネガル戦では好セーブを披露。試合後にはこう喜びを語っていた。
「少年時代に夢見てたものだよ。オランダ代表になれるなんて思ってすらいなかった。
でも、ある代表監督のもとで実現するとなら、それはルイス・ファンハールだ。僕らはとても似ていると思う。
同じユーモアを持っているし、考え方もとても似ているんだ。
でも、最後はピッチ上で証明しなければいけない。W杯のいいスタートになったと思う」
「オランダでは、いいGKがいないと嘆かれている。
でも、若い選手にチャンスを与えることも必要。
自分はちょっと年をとっているけれど、僕だってそうさ。
あえて自分と一緒に働いてくれる監督が必要なんだ。出来る限り、自分の役割を果たしたい」
彼を抜擢したファンハール監督は「彼とはいい関係にある。無邪気な子だ。率直だし、笑顔で物が言える。私の性格と似たところもある。試合ではミスをしなかった。彼の起用はいい選択だった」と讃えていた。