3月5日に行われた京都FAカップ2023の社会人代表決定戦。天皇杯の京都府予選にあたるこの試合は、学生代表チームとの決勝トーナメントに出場するための大会となる。
そこで今シーズン最初の公式戦に臨んだのがおこしやす京都AC。何年もの間JFL昇格を争っていたチームでありながら、昨季は関西サッカーリーグ1部で中位に低迷した。
今季にかける思いは明らかに強く、あらたな指揮官としてあの吉武博文氏を招聘。多くの若手選手を獲得し、開幕前には地域リーグのクラブでありながら3週間のトレーニングキャンプまで行っている。
相手となったウラノスは京都府リーグを戦う格下チームながら、ここまで好調なパフォーマンスを見せており、予選を戦ってきたため試合勘は十分。
おこしやす京都ACはその相手になかなかゴールを決められない展開となるが、後半の飲水タイムを終えてから3ゴールを決めることに成功し、3-0で勝利を収めている。
試合後、おこしやす京都ACで初指揮となった吉武博文監督は以下のように話していた。
吉武博文
「負けてもおかしくないような試合だったかなと思います。1点入りましたので、そこでだいぶ落ち着いたという感じはあります。
キャンプは3週間ほどやりましたが、対外試合をやっていませんでした。紅白戦とは違って、いろいろな要素があって難しい部分はありますが、やるべきことをやっていればもっと我々のペースにはなったかなと思います。
リーグ戦開幕までの1ヶ月でゲームマネジメント、相手のやり方が変わってきたときにどう対処するかということを取り組んでいきたいです。
(就任の決めては?)新しいことをやろうというかですね、自分も歳なんですけれどもワクワクするような。
日本がサッカーの分野で世界一になろうという大きな目標が会社にあり、全員が社員兼選手という今までにない新しい取り組みがあります。そこで新しい文化を作っていこうというのはとてもやりがいがある仕事です。
(どんなことを大事にシーズンを戦う?)全員攻撃全員守備の下、いろんなポジションを全員でやる。まだ自分自身もポジション適正がわかっていない。
ゴールキーパーも他のポジションができたら良いなとは思っているんです(笑)。漫画みたいですが、挑戦ができたらいいなと。選手もそれに答えるだけの度量がありますね」
また、ロアッソ熊本との契約が満了となっておこしやす京都ACに復帰した小島圭巽選手は、「大木武監督と似ている」という印象を明かしてくれた。
小島圭巽
「ロアッソ熊本との契約が切れる前に、もう吉武監督が来ることは分かっていました。有名な方ですし、大木さんのサッカーに似ている部分がある。
だから吉武さんの下ならばもっと成長できて上に行けるかもしれない。そこでおこしやす京都ACに残りました。
めちゃくちゃ似てます。言う言葉だったり、戦術的な決まり事が似ていますし、考え方とか、大事にしているところも。なので僕はとても面白いですね。
もっと相手に圧勝するというところ。地域CLで『遊んで勝つ』ということを目指して、一年間戦っていきたいです」
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リーグ戦開幕まで1ヶ月あまりという珍しいタイミングでの公式戦を見事勝利で終えたおこしやす京都AC。学生代表との京都FAカップ決勝ラウンドはまだスケジュールが決まっておらず、今後の情報を注目して欲しい。
また、関西サッカーリーグの開幕戦については4月9日、淡路島のアスパ五色でレイジェンド滋賀FCとの対戦となる。