JFL昇格を目指す福井ユナイテッドFC(北信越リーグ1部)が、2月25日に新体制発表会を行った。

2018年に経営難となったサウルコス福井を引き継ぎ、新たに名前を変えてJリーグへの昇格を目指すことになった『福井ユナイテッドFC』。

昨年は藤吉信次新監督を招聘して戦ったものの、北信越リーグでは6年ぶりに優勝を逃し、全国社会人サッカー選手権大会でも1回戦で敗退。非常に悔しいシーズンとなった。

地域CLにも出場することができなかった1年を終えたあと、藤吉信次監督の契約を更新。2023年に向けて現体制の強化を図ることを選択した。

そして、JFL昇格に向けて今冬は12名の新戦力を獲得。この新体制発表会でその選手たちのお披露目が行われた。

今年JFLや地域リーグの界隈で最も大きな話題になったのは、Jリーグ参入に際して必要となっていた「観客数条件」が実質的に撤廃されたこと。

これまではJFLにおいて1試合平均2000人以上を記録することがJリーグ昇格の条件となっており、昨年はFC大阪や奈良クラブがまさにそのための施策を数多く行っていたことで知られる。

まさにJリーグ入りを目指すクラブにとってはパラダイムシフトといえる、「最も難しい条件」が変わった。それは福井ユナイテッドのようなクラブにどのような影響を及ぼすのか。社長の服部順一氏に質問してみた。

服部順一

「10年近くJリーグの制度設計も含めてやっていた中で、『難しいことを決めるな…』と思っていたんです。

本来は、やりたい人がいて、見たい人がいて、それが集って膨らんでいって、クラブとして成長していって、それが大きな枠になって、プロとしての興行が成立していくもの。

それが一定の制限として観客の人数が決められるというのは『変だな』とは思って言いました。今回制度設計が変わって、自然な形に戻ったと思います。

ただもちろん観客数については取り組みを行いながら、我々は『すこしずつ大きくなっていく』ということにチャレンジしていきたい。

いろいろな山や波はありますが、そのときでもさらなるパワーを生み出す関係を作りたい。フロントスタッフが地域に出ていって、いろいろな場面で関わりを持っていく。

よく言われますが、新聞のスポーツ面ではなく社会面に載ること。いろいろな形で皆さんの中に入っていって、『紙媒体で見た人が目の前に来る』。

人間性を知られた選手たちが、必死になって戦っている。必死になって何かに取り組む。そのような場面を作っていきたい」

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服部社長曰く「難しいことを決めるな」と思っていたという観客数条件。それが撤廃されたことにより、観客を集めるだけではなく、さらに地域との関係性を重視したミクロな取り組みに力を入れられるようになるようだ。

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