大学サッカーの全国大会・総理大臣杯決勝が10日に宮城県仙台市内(ユアテックスタジアム仙台)で行われ、関西学院大(関西第1代表)は富士大(東北第2代表)に1-2と惜敗し、2015年以来2度目の同大会優勝を逃した。

この日右サイドバックで先発したJ1鹿島アントラーズ内定の関西学院大DF濃野公人(4年、大津高出身)は緻密なビルドアップ、正確なクロス、惜しいシュートを放つなど、守備だけではなく攻撃面でも存在感を発揮。だが全国大会初勝利から決勝まで進出した富士大の勢いを食い止めることはできなかった。

後半11分、同27分に失点し、J1名古屋グランパス内定のFW倍井謙(4年、名古屋U-18)が試合終了間際の後半49分に右足で1得点返すも力尽きた。

試合終了後に濃野は「悔しいですね。勝負強さみたいなものは、きょうの富士大学さんが1個上手やったのかなと思います」と肩を落としていた。それでもキャプテンマークを託された濃野は試合終了の笛が鳴るまでイレブンを鼓舞し、最後までピッチを駆け抜けた。

悔しい表情を浮かべる濃野(中央)

ここまで関西学院大は同大会でトップクラスの完成度を誇るチームとJリーグ関係者から評価されていた。初戦は同じ関西勢の早稲田大(関東第3代表)を2-0で下し、3回戦は中央大(関東第5代表)を4-1、準決勝は順天堂大(関東第4代表)を3-1と優勝候補の関東勢を蹴散らして決勝に駒を進めた。

「関東には負けたくない想いでみんなやっていました。その関東勢を3つ倒したことは間違いなく力強いチームに関学がなってきたという手応えはあります」と成果を口にするも、「ただこのタイトルを目指してやってきたんで、関東3つを倒したからオッケーじゃない。このタイトルを取れなかったということを肝に銘じてこれからやっていきたいです」と敗戦を受け止めて前を向いた。

関西学院大で大学最高クラスのDFに成長した濃野は、今年6月にJ1鹿島の内定が発表された。常勝軍団に入団した実力者は今大会でも存在感を発揮し、3回戦中央大戦では1ゴール2アシストの活躍で中央大を寄せ付けなかった。ただ決勝ではあと一歩届かなった。2015年以来となる同大会タイトルを勝ち取れなかった悔しさは計り知れない。

それでも背番号7は「自分のサッカー人生の中でも経験することのない全国大会の決勝という舞台で負けたことは、間違いなく自分の糧になると思う。これを忘れないことは、自分のキャリアにとって大事なこと。これからインカレを戦ったり、関西学生リーグを戦ったり、Jリーグの舞台を戦うと思うんですけど、この敗戦を絶対忘れないと肝に銘じて、地道にまた一歩、一歩頑張っていきたいです」とこの敗北を糧にする。

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大会屈指の完成度を誇る関西学院大は、この敗北を経てさらなる成長を遂げて2度目となる冬の全国制覇に向けて突き進む。

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