オーストラリア政府は今年10月、アボリジニなど先住民がオーストラリアの「ファーストネーション」(最初の人々)であることを明記し、先住民の声を政策に反映しやすくするための専門機関の創設などを含む憲法改正の政府案について「The Voice」という国民投票を実施した。

白人の入植によって迫害されたアボリジニなどの先住民は、平均よりも世帯収入や教育水準が低く、平均寿命も短いなど格差が存在する。それらを是正する最初のステップとして実施したのが「The Voice」だった。

この国民投票自体が事前から賛否両論だったのだが、結果は反対票が約60%を占め政府案は否決。これに失望したのがITTBであり、歴史的に先住民との関わりが深く、この投票を推進してきたブリスベンのホームタウンが属するクイーンズランド州だ。

先住民族、とりわけアポリジニの血を引くサッカー選手は少なからず存在する。かつてFC東京と北海道コンサドーレ札幌でプレーし、アポリジニ系で初の代表キャプテンとなったブリスベンのレジェンド、ジェイド・ノースはその代表格といえる。

今回のユニフォームと「The Voice」の投票結果の関係性は不明だ。「The Voice」以前からの計画だったかもしれない。あるいは投票結果に先住民問題を蔑ろにされているという危機感が、このユニフォームにつながった可能性もあるだろう。

クラブのCEO(最高経営責任者)カズ・パタフタ氏はこのユニフォーム発表の際に、「ブリスベン・ロアは背景に関係なく、すべての人々を歓迎し尊重しており、国とサッカーコミュニティを形作るすべての先住民文化を支援することに今後も専念する」とコメントしてる。

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単なる美しいデザインではない「先住民族ユニフォーム」は、クラブのオンラインストアで販売中。現時点で大きめのサイズは完売となっている。

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