12月2日に行われたKSLアストエンジカップの決勝トーナメント1回戦で現役を引退したGK池上尚孝。

アルテリーヴォ和歌山は今季関西サッカーリーグを制覇して地域サッカーチャンピオンズリーグに臨んだものの、1次ラウンドで2分け1敗という成績に終わり敗退。JFL昇格の夢は果たせなかった。

そしてその後発表されたのが、GK池上尚孝の現役引退。

出身地である和歌山の和歌山那賀高を卒業し、IPU環太平洋大学でプレーしたあと、アルテリーヴォ和歌山、高知ユナイテッドSC、MIOびわこ滋賀に所属してきた。

そして今年4シーズンぶりに古巣であるアルテリーヴォ和歌山へと復帰していたが、29歳という年齢で現役を引退することを決断した。

このKSLアストエンジカップは彼にとって最後の大会に。2日のおこしやす京都AC戦ではハーフタイムから途中出場したが、試合は2-2でPK戦に持ち込まれ、和歌山は3-5で敗北。トーナメントの1回戦で姿を消すことになった。

そして、それと同時にゴールマウスを守っていた池上尚孝にとってもこれが現役選手としての最後の時間となった。

――現役生活、お疲れ様でした!最後のプレーの感想は…

もちろん勝って準決勝、決勝と行けるのが一番良かったんですけど…ここでPK戦で負けるというのも、なんだか僕らしいなと思います(笑)

すでにファン感謝デーも終わっていますし、引退してからサポーターに会えることも普段ならないことです。最後は負けちゃいましたけど、公式戦で直接ファンの方々と会えて本当によかったですね。

――キャリアを振り返って一番の記憶は?

自分の中で一番のベストゲームは、高知ユナイテッドSC時代のHonda FC戦ですね(敵地で1-0と勝利した)。高知ユナイテッドもそのシーズンで初勝利でした。

去年のMIOびわこ滋賀でも、非常に苦しいシーズンだったんですけど、1回三連勝したことがあって。あの瞬間は「サッカーやっていてよかった」と思えるものでした。

そして最後はアルテリーヴォ和歌山で。最後はJFL昇格まで届かなかったんですけど、地域サッカーチャンピオンズリーグのジョイフル本田つくばFC戦でピッチに立てました。和歌山に帰ってきて本当によかったなと思いました。

一度チームを離れたんですけど、高知にいたときもMIOにいるときも「いつか成長した姿を見せられるように」と思っていました。最後アルテリーヴォでプレーできて、最高でした。

――ピッチ以外で「サッカーやっていてよかった」と思えた瞬間は?

チームはもちろんですが、僕個人を応援してくれる方もいらっしゃって。自分は3つのクラブでプレーしたんですけど、移籍してからも県をまたいで応援しに来てくれたんです。

それは、選手としては最高の瞬間でしたね。

――次の目標は?

和歌山に残るつもりなので、この地元からJリーグのチームができることを夢見ていますし、ずっとそれを応援したいと思います。

――最後に応援してくれたファンにメッセージを

アルテリーヴォ和歌山、高知ユナイテッドSC、MIOびわこ滋賀のサポーターの皆さん、本当にありがとうございました。沢山応援していただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。

引退してもこの3つのクラブは特別な存在ですし、ずっと応援していくつもりです。

――池上選手、ありがとうございました。本当にお疲れ様でした!

【関連記事】8連勝の日本代表、2023年に評価を上げた5名の選手

2016年にアルテリーヴォ和歌山へと加入し、それからJFLを経験して地元に戻ってきた池上尚孝選手。Jリーグ参入という夢を愛する地元のクラブに託し、新たな道へと歩んでいく。

【Qolyインタビュー】J2ジェフユナイテッド千葉DF岡庭愁人が母校の先輩からもらった言葉…未知のコンバートを乗り越え「熱くて、強い選手になる」