近年かなり厳しい経営状況にあると伝えられているバルセロナ。その中で行われてきた「リザーブチームにしかいられない選手への不条理な契約」に対する批判が広まっているよう。
『Mundo Deportivo』のシャビエル・ボッシュ氏は、バルセロナが来年から「ソシオパスの物理カードを廃止し、すべてをデジタル化する」ことに触れつつ、選手の獲得で多くの浪費があったことを指摘した。
その代表的な例としてあげられているのが、トルコ人選手のエムレ・デミル。
2021年9月にカイセリスポルから16歳でバルセロナに移籍してきた彼には、200万ユーロ(およそ3.1億円)の違約金が支払われ、さらに4億ユーロ(およそ625.7億円)の契約解除条項が設定された。
ジョアン・ラポルタ氏が会長に復帰してから初の補強であったという点もあり、「新しいメッシになる可能性がある」と高く評価された。
ところが、エムレ・デミルはBチームに当たるバルサ・アトレティックに所属し、トップチームではわずか2試合、24分のみのプレーに。
しかも半年後には6年も結んでいた契約が解除され、フリーエージェントでフェネルバフチェへと移籍していった。
さらに、このエムレ・デミルの獲得の理由には裏があったと言われている。
ジョアン・ラポルタ氏はウズベキスタンでのバルセロナの事業で820万ユーロ(およそ12.8億円)を横領したと告発されている。それを明らかにしたのがトルコの代理人バイラム・トゥトゥムル氏だった。
その訴訟自体は訴えが棄却されて終了しているが、バルセロナはそれによるイメージダウンを懸念し、バイラム・トゥトゥムル氏との関係修復のためにエムレ・デミルを獲得したと伝えられている。
また、『OneFootball』はエムレ・デミルだけでなく、多くの無駄な選手に移籍金が支払われていたと伝えた。
そのうちの一人が鹿島アントラーズから加入した安部裕葵で、獲得の際に110万ユーロ(およそ1.7億円)が支払われたものの、ほとんどの時間をBチームで過ごした。
他にもサンパウロから450万ユーロ(およそ7億円)で獲得したグスタヴォ・マイア、760万ユーロ(およそ11.9億円)で買ったマテウス・ペレイラなどが非常に奇妙で無駄な契約であったと伝えている。
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これら選手の獲得で野放図な選択をしている一方、ソシオに対して緊縮的な経営を行うということは、クラブの運営として矛盾しているのではないか…と批判されているようだ。