青森山田が6日、2大会ぶりの選手権決勝進出を決めた。
ここ8大会で実に6回目の決勝となる、高校サッカーの“帝王”。準決勝の市立船橋戦は終盤に追いつかれる厳しい展開となったものの、PK戦の末になんとか勝ち切ることに成功した。
今大会はここまで4試合で2失点。市船とのPK戦で2本のキックを止めた守護神・鈴木将永とともに、センターバックコンビを組むキャプテン山本虎(4番)と小泉佳絃(5番)の奮闘ぶりも光っている。
市船戦では、79分という時間に久保原心優の同点弾を許してしまったが、それでも彼らのメンタルが揺らぐことはなかったようだ。山本が失点後の心境について振り返る。
「もう1回点を取りに行くというよりは、正直(それは)ちょっと厳しいところがあったので、PK戦に行ってもいいような準備をしていましたしあまり焦りもなかったです。それが結果的に良かったんじゃないかと思います」
失点直後、市船の選手たちが喜びに沸くなかで、ピッチの中央に全員が集まっていた青森山田の選手。山本によれば、同点にされたからといって勝ち越し弾を狙うよりも、まずは守備を落ち着けようと確認し合っていたという。
今年の青森山田は、インターハイ3回戦で明秀日立に0-1の敗戦を喫して以降、勝負強さに磨きがかかった印象がある。プレミアリーグでもそうした終盤の粘りで勝ち点を着実に積み重ね、頂点へと上り詰めた。
ただもちろん、青森山田の強さはそれだけではない。山本は決勝に向けて以下のように抱負を語った。
「どちらが来るか分からないですけど(※近江が堀越を3-1で破り初の決勝進出)、1回もやったことのない相手なので、市船に勝ったから満足するのではなく、次の試合に向けてもう1回チームでいい準備をしていこうと。優勝は簡単ではないと思いますが、でも次こそはもう1回、圧倒して勝てるようにしたいです。自分たちから攻めたり守備へ行ったりという、強い山田を見せたいです」
青森山田の2年ぶり4度目の優勝か。あるいは野洲の「セクシーフットボール」を彷彿とさせるテクニック全開のスタイルでついに決勝までたどり着いた近江の初戴冠か。
今年はプロ入りゼロ。青森山田→大学サッカーで飛躍した「最強の5人」
大注目の第102回高校サッカー選手権決勝は、8日(月・祝)14:05から国立競技場で開催される。