アジア制覇を成し遂げたU-23日本代表において、もっとも悔しい思いをした選手であろう西尾隆矢。

所属のセレッソ大阪に戻った23歳のセンターバックは、15日のFC町田ゼルビア戦でU23アジアカップ後初めて試合に出場。町田が誇るFW陣、オ・セフン、藤尾翔太、ミッチェル・デューク、エリキらと激しく渡り合った。

結果は2失点を喫しての敗戦。ゲームの中での“一瞬の判断”が勝負を分けるという話から、U23アジアカップに話が及ぶと、西尾は中国戦で相手の挑発に乗り一発退場した場面をこのように振り返った。

「本当にもう、あの一瞬でしたけど、忘れられない一瞬でした。そこはもうやはりずっと下を向いているわけにもいかないですし、駄目なことですけど『ああいう経験をポジティブに生かす』というように自分に言い聞かせてやっていければいいかなと思います」

大会については「日本が優勝したことはすごく嬉しかったですけど、ここまで悔しすぎる1ヶ月は本当に今までの人生でもなかったかなと強く感じました。大会期間中は別につらいとかはなかったんですけど、本当に試合に出たいという気持ちは強かったです」と明かした西尾。

だからこそ、セレッソ大阪というホームに戻り、キャプテンマークを巻いて臨んだこの試合で、西尾は“ある気持ち”を胸にプレーしたという。

「悔しさもすごくあった中で、こうしてチームに戻ってきて、しっかり使ってもらえるということにすごく感謝しています。改めて、当たり前にサッカーができることに感謝しないといけないですし、試合に出るからにはチームの勝利に貢献しないといけないという強い気持ちを持って今日の試合に入りました」

また、町田戦ではセレッソ大阪U-18の同期でもあるU-23日本代表FW藤尾翔太との対決も話題に。ただ本人曰く、やりづらさはまったくなかったようだ。

「全然ないです。翔太はもう、逆に分かっているので。どういうプレーをするかも分かりますし、僕は全然何も思わなかったです。(怖さとかも?)全然ないです。翔太には申し訳ないですけど(笑)でもあいつは(今日)点取ってないんで」と笑いながら答えつつ、町田のFW陣全体について話が及ぶとこんなふうに話していた。

「翔太もそうですけど、クオリティが高い選手が次から次へと交代で入ってきて、そこに対応していくというのは…自分たちは90分間走りながらですけど、あそこを抑えられるとやっぱり選手の価値はすごく上がると思うので、今日は本当に良い相手とできたなというのは素直に思いましたね」

U-23日本代表、U23アジアカップに招集できなかった「海外日本人」の逸材たち12名

良いFW、しかもさまざまなタイプの選手と対峙できた喜びを語った西尾。

U23アジアカップでは大きなミスを犯してしまったが、時間は決して元に戻らない。逆に重い十字架を背負ったからこそ、これからの成長に期待したい一人だと言える。

パリ五輪の開幕まで残り2ヶ月。サバイバルの渦中にある西尾とともにセレッソ大阪は今週末の18日(土)、アビスパ福岡とのアウェイゲームに臨む。

【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名