サンフレッチェ広島は29日に行われたJ1第21節、川崎フロンターレとの一戦をアウェイで1-1の引き分けに持ち込んだ。

試合は23分にマルシーニョのゴールで川崎が先制。後半ペースを握った広島はなかなかゴールを生み出すことができなかったが、88分にエゼキエウとのワンツーで中央に入り込んだ満田誠のミドルで追いついてみせた。

「お互いにポイントをプレゼントし合わない、素晴らしい試合だったと思います」

会見冒頭でそのように試合を振り返った広島のミヒャエル・スキッベ監督。川村拓夢、野津田岳人と中盤の選手が立て続けに移籍する難しい状況のなか、中盤でのボールロストが目立つ試合になってしまったという。

ただ、後半頭から投入した、18歳の中島洋太朗がポゼッションに安定感をもたらし、流れを手繰り寄せたなかで最後に追いつくという展開だった。

「今日の(中島)洋太朗のパフォーマンスに関しては、非常に満足しています。今日が本当のデビューだったと言えるんじゃないかと思います。45分出ましたし、彼がJ1でやっていけるだけの実力があることを示した良い試合だと思います」

また、この試合のトピックの一つが満田のポジションチェンジ。ここ数試合と同様、左ウィングバックで先発すると、前半途中にボランチへ移り、その後もシャドー、さらには再び左サイドと、試合の中でさまざまなポジションでプレーした。

その起用法について記者から尋ねられた58歳の指揮官は、「GKにするにはちょっと小さすぎますね(笑)」とユーモラスに答えたあと(※満田の身長は170cm)、こう続けた。

「ただそれ以外のポジションでは、彼のアグレッシブさ、それからずる賢さとかそういったものはどのポジションでも通用すると思っています。ここ2年半くらい、選手交代の際に同じポジションをそのまま代えるというよりも、ポジションチェンジをしながらという戦い方をしてきました。そうすることによって、相手を混乱させたり新しい形で攻めることができるようになると思っています」

本来アタッカーである満田や加藤陸次樹のボランチ起用に代表されるように、大胆な選手起用が珍しくないスキッベ監督。試合中のポジションチェンジに関しては相手を混乱させるといった意図も含まれているようだ。

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ピッチサイドでの堂々とした立ち姿が印象的なドイツ人の智将のもと、アウェイで貴重な勝点1を獲得した広島。次戦は7月5日(金)、ホームでヴィッセル神戸との上位対決に臨む。

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