Qolyアンバサダーのコラムニスト、仙太郎によるレポートをお届けします。

浅野監督は前節と同じスターティングメンバーで臨みました。これは現在の戦術に対する自信の表れです。しかし、試合開始直後から鹿児島は千葉の高い守備強度とロングパスを駆使した攻撃に苦しみ、前半10分過ぎまで千葉に押し込まれました。

鹿児島の反撃

その後、鹿児島は千葉の攻撃に徐々に対応し反撃を開始。16分に先制ゴールを奪うことに成功します。前半だけで鹿児島のシュート数は10本、対する千葉は5本と数字上は圧倒。しかし、千葉の守備組織を崩すことはできず、枠内シュートの数は両チーム同じでした。鹿児島はミドルシュートも多く、PA内でブロックされる場面も多かったのです。数字ほど優勢ではなかったと言えるでしょう。

試合は鹿児島のペースで進んでいましたが、37分に岡本選手のトラップミスからボールを奪われ、田口選手の見事なヒールシュートで同点に追いつかれました。この失点は試合の流れを大きく変えました。

さらに、千葉は野嶽選手を意図的に狙っていました。右サイドからの斜めのロングパスが効果的で、千葉の3トップが幅を取り、野嶽選手のスペースを狙って攻撃を展開しました。また、鹿児島の両ウィングも厳しくマークされ、突破が難しい状況が続きました。河辺選手も厳しいマークに遭い、突破を試みるもファウルで止められることが多かったです。

千葉の落ちないプレス強度

後半になっても千葉のプレス強度は落ちず、鹿児島は1点リードされてからも有効な攻撃を仕掛けることができませんでした。千葉の選手は体が大きく、プレスを掛ける距離も近く、隙を見つけてはボールにアタックしてきました。ドリブルにも諦めずに追いかけ、体を寄せてボールを奪う場面が多々見られました。

後半の失点シーンではメンデス選手と外山選手のミスマッチが明らかでした。体格差があり、1対1の状況で押し返されてヘディングシュートを決められました。PA内での防ぎようがなく、これも試合の流れを決定づけました。

試合全体を通して、千葉の守備強度が高く、鹿児島の攻撃は苦戦しました。千葉はフィジカル面で優れているだけでなく、技術と戦術理解度も高く、昇格争いをしているチームの実力を見せつけました。

浅野監督就任後、初の黒星

浅野監督就任後、初の黒星となりましたが、負けないチームはありません。問題は次の試合にどう対応するかです。高い守備強度の相手を崩していくことが上位チームと戦う上で重要です。負けたからといって全てがダメだったわけではなく、できた部分も多くありました。次の試合に向けて、できなかった部分を修正し、さらなる成長を期待したいです。

ライター:仙太郎
東京都でU12指導者歴12年。C級コーチライセンス、4級審判員保持。
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