大宮内定のディフェンスリーダーは日本一を掲げる

神奈川大戦の勝利は守護神の力だけで成し遂げたわけではない。福井主将を筆頭に正確なポジショニングとボールを捉えたタックル、ゴールを覆い隠すシュートブロックでクリーンシートに抑えた。

「相手はボールを回すプレーが上手で、自分たちもボールを握りたかったんですけど、それ以上に相手がボールを持つ時間が長かった。試合前から選手たちに『焦れずにやり続けよう』と話していました」と福井主将。

セットプレーになれば的確な指示を出して最適な位置に選手を配置し、自身も力強い跳躍を見せてゴールを狙った。冷静なコーチング、相手のポジショニングに歪みをつくる正確無比なビルドアップとキャプテンの存在が大きかった。

先月2日に自身を育てたJ3大宮の来季加入内定が発表された。小学校から高校まで大宮一筋で育ったディフェンスリーダーは、来季再びオレンジ色のシャツを着てNACK5スタジアム大宮で戦う。

「育てて頂いたクラブなので、戻れたことはうれしいです。大宮さんから熱烈なオファーをいただきました。自分が夢見ていたJ1でやっていた大宮を自分が中心になって、そこに戻っていけるように来年からプロとしてやっていきたい」と元いた場所にチームを戻すと力強く誓った。

筑波大は総理大臣杯3度の優勝を誇る大学サッカー屈指の名門だが、最後に優勝したシーズンは1992年までさかのぼる。チームが掲げる目標は当然王座奪還であり、福井主将は頂きに向けて戦意をたぎらせている。この大会で福井の活躍を期待する大宮サポーターも多く、キャプテンはファンに吉報を届けたい。

「(大宮サポーターに)認められるには結果で示すことが1番だと思います。チームとして日本一になることがサポーターから認められる1番の方法。日本一になったチームの中心になるためには、もっとやっていかないといけないことがあります。そこはチームとしても、もっとやっていきたいです」と言葉に力を込めた。

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32季ぶりの日本一に向けて、9日午後2時宮城・セイホクパーク石巻フットボール場で開催される準々決勝早稲田戦で勝利をつかみ取り、大宮サポーターに自身の力を証明してみせる。

(取材・撮影 高橋アオ)

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