今季JFL(日本フットボールリーグ、J4相当)に衝撃が走った―。
昨季J2に降格した北海道コンサドーレ札幌を退団していた元日本代表MF小林祐希が、JFLのいわてグルージャ盛岡へ今年2月1日に加入した。
元日本代表のテクニシャンは、なぜアマチュアリーグへ活躍の場を移したのか。
Qolyは小林にインタビューを実施。
JFLでプレーするいまを赤裸々に語った。
(取材・文・構成・写真 宇田春一)
魂が抜けた感じがした
昨季まで国内トップディヴィジョンであるJ1で19試合に出場していた男は、なぜプロの舞台からアマチュアリーグへと活躍の場を移したのだろうか。誰もが思う疑問を小林に尋ねると、きびしい表情を浮かべて淡々と理由を説明した。
「前に所属していたチームでは、あまり自分のプレースタイルは受け入られくて、正直、何をしたらいいのか分からなかった。魂が抜けた感じがした」

札幌時代の小林 (C)Getty Images
札幌での選手生活はプレーする喜びを得られなかったという。モチベーションが保つのが難しかった理由を聞けば、「三日あっても足りない」と言うほど。理由を深く語らなかった小林は、サッカーに対する情熱や喜びを日を追うごとに失っていった。
昨季終わりに契約が満了し、Jリーグチームからのオファーはなかったという。その中で昨季J3最下位によりJリーグを退会し、今季JFLでJ3参入に向けて再スタートを切っていた盛岡が小林へオファーを送った。
「(現役を引退しようか)迷っていた。正直『もういいかな』と思っていた部分もあった。でもプレーすることは嫌いじゃないし、ボールを触るのも好き。JFLから上へ上がるという目標があって、それなりの選手もいて、やりがいはあるかなと思った。サッカーが楽しいと思わせてもらったし、グルージャにはすごく感謝していますね」と明かした。
盛岡に加入してからは広い視野と優れた判断力、そして卓越したテクニックでチームにとって必要不可欠な存在となった。

盛岡でプレーする小林(中央)
「認めてくれる人がいて、必要としてくれるチームがあって、そこで試合に出ることは勝手にモチベーションが上がる」というように、サッカーをプレーする喜びをこのチームで噛みしめている。
