ガリンシャ
サッカー史において、ガリンシャほど神話的な存在であり続けるプレーヤーは珍しい。「民衆の喜び」の愛称で親しまれた彼は、貧しい出自と身体的なハンディを乗り越え、超自然的とも言えるドリブルを武器にしたウインガーだった。
障害によって曲がった両足から繰り出される爆発的な加速力、そして驚異的なバランス感覚を備えたガリンシャは、1対1の仕掛けを一つの演劇に変えてみせた。
1958年のスウェーデン大会でペレと共に初優勝に貢献したが、彼の真骨頂は4年後のチリ大会だった。ペレが負傷離脱する中、ガリンシャがチームの主役となり、ブラジルをW杯連覇へと導いたのだ。1962年大会ではMVPと得点王の二冠を達成し、その天才性を証明。
クラブレベルではボタフォゴの象徴として君臨した。波乱に満ちた人生を送ったが、グラウンドの上では自由、即興、そして喜びというブラジルサッカーの魂を体現する存在だった。
ロナウド
「R9」ことロナウドは、現代的なスター選手のプロトタイプだったといえるかもしれない。度重なる怪我でその体が変貌を遂げる前、全盛期の彼はあまりにも不公平な存在だった。
爆発的なスピード、圧倒的なパワー、吸い付くようなコントロール、そして冷静沈着なフィニッシュ。それらすべてを一人で兼ね備えていた。PSV、バルセロナ、インテルで見せたプレーは、まるで未来から来たフットボーラーのようであり、これまでに見たこともない力強さとテクニックの融合でDF陣をなぎ倒した。
並の選手であれば引退に追い込まれるような深刻な膝の怪我を負いながらも、彼は2002年の日韓W杯で復活。決勝のドイツ戦での2ゴールを含む計8ゴールを叩き出し、サッカー史に残る壮大なカムバック劇を完結させた。彼は単なる得点屋ではなく、純粋な個の力で試合を決定づける恐怖の怪物だった。
