中国・天津で開催されたバレーボール女子のアジア選手権、日本代表は準決勝でタイにセットカウント1-3の敗戦を喫した。
世界ランキング6位の日本は今大会、グループリーグ3試合と準々決勝まで1セットも落としておらず、同17位のタイとの直近の対戦でも4連勝中だったが、ロサンゼルス五輪出場がかかった重要な大会で敗れることになった。
一方、タイは30日の決勝でも世界ランキング7位の地元中国を激闘の末に3-2と下し、2023年大会に続く連覇を達成。通算4度目のアジア制覇を果たし、悲願の五輪初出場を決めている。
そんなタイ代表のスタッフとして、日本を破った吉田伸コーチに対して、日本国内から批判の声が挙がっているようだ。
30歳の吉田氏は2024年まで日本代表でアナリスト兼通訳を務め、2025年からタイ代表のコーチに就任。日本とタイが準決勝で対戦したことで、「自分の意思で日本代表を離れ、タイ代表へ移った」といった事実と異なる内容や憶測に基づくメッセージがSNSやダイレクトメッセージで相次いだという。
これを受け、吉田氏は31日に自身のInstagramで事情を説明。「事実とは異なる情報や憶測をもとにした誹謗中傷にあたるようなメッセージをいただくことも増えています」とし、「事実とは異なる認識をもとに批判や誹謗中傷を受け続けることは、決して簡単なことではありません」と、苦しい胸中を明かした。
そのうえで、吉田氏は日本代表との契約期間が昨年終了した際、契約は更新されなかったと説明。その後、タイ側からオファーを受けたといい、「私自身が、日本代表を離れることを希望して決めたわけではありません」と強調した。
また、日本バレーボール協会や日本代表に対して否定的な感情はなく、日本代表で働いた時間は「本当に大切な経験」だったと振り返っている。
ただし、現在タイ代表のコーチとして仕事をしている以上、日本戦での立場は明確だ。「日本と対戦するときは、対戦相手として、タイが勝つために自分の仕事を全うします。それが今の私の仕事であり、プロとしての責任」と述べ、タイの優勝に貢献した自身の立場を説明。
そして最後には、「日本代表で過ごした時間への感謝も、日本のバレーボールへの敬意も、今も変わっていません。そして今は、私を必要としてくれたタイ代表への感謝と責任を持って、自分にできる仕事を全力でしています。今回お伝えしたことを、一つの事実として受け取っていただけたら嬉しいです」と自身の想いを綴っていた。
筆者:奥崎覚(編集部)
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