日本サッカー協会(JFA)は28日、岡田武史氏が同24日付で副会長を辞任したと発表した。
監督として2度のワールドカップで日本代表を率いた岡田氏は今回の辞任について、「スポーツは高潔であるべきだという信条」とともに、FIFAワールドカップをめぐる一連の対応との間に「大きな隔たり」があったと説明。
具体的な対象は明言していないが、宮本恒靖会長がFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長の再選支持に前向きな姿勢を示したことが、今回の辞任の背景にある可能性がある。
発端とみられるのは、10月23日に東京都内で開かれたアジアサッカー連盟(AFC)の臨時総会だ。
シェイク・サルマン会長は、2027年3月のFIFA会長選挙でインファンティーノ氏の再選を支持すると表明。宮本会長はAFCと足並みをそろえる姿勢を示し、日本も同調する可能性を示唆していた。
一方、インファンティーノ氏をめぐっては、W杯の商業権益の一部を民間投資家に売却する計画が反発を受けて撤回されたほか、2026年W杯でアメリカ代表FWフォラリン・バログンの退場処分に伴う出場停止が猶予された問題など、透明性やガバナンスへの批判が続いている。
岡田氏の辞任理由がこれらの問題やJFAの方針と直接結びついているか、本人のコメントだけでは断定できないものの、その可能性は否定できない状況だ。岡田氏のコメント全文は以下の通り。
「誠に勝手ながら、このたび、副会長の職を辞させていただくこととしました。
私はこれまで、スポーツは高潔であるべきだという信条のもと、その社会的価値を大切にしてきました。しかし、今回のFIFAワールドカップをめぐる一連の対応については、私自身の信条との間に大きな隔たりがあり、それを一人のスポーツマンとして受け入れることができず、このたびの決断に至りました。
アジアサッカー連盟(AFC)との関係や日本サッカーへの影響を踏まえれば、AFCと歩調を合わせる方向性には現実的な理由があるものと理解しております。
任期の途中で職を退くこととなり、大変申し訳なく思っておりますが、熟慮を重ねた末の決断としてご理解いただければ幸いです」
AFCとの協調に「現実的な理由」があると認めながらも、自らの信条を優先した岡田氏。
日本サッカー界の国際的な立場と、スポーツ団体に求められる透明性や倫理観をどう両立させるかが問われている。
筆者:奥崎覚(編集部)
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