エヴァートン(昨季5位)【第2節、第3節観戦】

・Positive Aspect

ポイントだけを逃さないようなサッカーを見せ、コンディションはそこまで良くもない状況にも関わらずしたたかに戦っている。チーム全体で勝負所が解っているようになっているのは大きなプラス。特に攻撃において、しっかりと連動した攻撃で雪崩れ込む場面が増えた。また、層も徐々に厚くなっており、長距離走のシーズンを戦いぬく準備もバッチリか。新加入のFWルカクが、昨シーズンもレンタルでプレーしていたことから戦術理解度も悪くないのも大きい。

・Negative Aspect

ロベルト・マルティネスのチームらしく仕上がりは遅い。ピークは中盤から後半になってくるだろう。また、第2節には逃げ切りにかかる交代策を使えば勝ち点3を狙えたのではないか。指揮官が明確なフットボール観を持つ故に、目先の1戦に拘りきれないのは弱み。また、特に中盤に複雑なタスクを求めることから、そこでミスが起こることは少なくない。組織としての成熟度が順調に上がっていかないような状況になると、問題が起こってくる可能性も。また、DFラインの高齢化も不安な要素ではあり、試合の終盤に集中を切らす場面が多くなっているというのは懸念点である。

・New Player

ロメル・ルカク

エヴァートンがクラブの命運を賭けてチェルシーから買い取った若きベルギー代表ストライカー。圧倒的なフィジカルに加えてスピードも備え、サイドからの突破がこなせるところが特徴である。昨シーズンもレンタルでプレーしていたことから、ロベルト・マルティネスのフットボールに十分にフィットしている。相手のサイドバックを狙ってフィジカル勝負に持ち込むことで起点として機能し、そこからスピードに乗ってCBに仕掛けるようなプレーを指示されているようだ。

・Key Player

ギャレス・バリー

エヴァートンの複雑な中盤守備を統率する意味で、替えが効かないベテラン選手。様々なポジションを経験していることから非常に高い戦術眼を誇り、中盤を俯瞰で見ているようなポジショニングと指示でチームを支える。マッカーシーやバークリーといった若きMFをサポートする上で欠かせない存在。

スティーヴン・ネイスミス

献身的な前からのプレスに加え、そのポジショニングの良さで的確にルカクやミララスを支える頭脳派ストライカー。連動したフリーランの上手さで攻撃を活性化させることで、カウンターの質を数段上げてしまう。マルティネス曰く「昨シーズン最大の発見」。

・Potential Player

クリスティアン・アツ

チェルシーからのレンタルで加入したガーナ期待のアタッカー。勿論身体能力は抜群だが、オランダでのプレーを経て頭を使ったプレーをこなせるようになっているという情報もある。膠着時の打開役として昨シーズン攻撃にアクセントを加えたデウロフェウの穴を埋められるか。

ジョン・ストーンズ

ウィガン在籍時から指揮官マルティネスが追い続けた、イングランドの未来を背負うDF。ジャギエルカとディスタンのCBコンビの高齢化という問題をチームが抱える中で、今季はチャンスも増えてきそう。

・Deadline Deal

ダヴィド・エネン

オリンピアコスにハイジャックされたことで買い取り自体には失敗したものの、オリンピアコスからローンでの移籍に成功。恐らくローン期間終了後には買い取りに動くだろうし、非常に高く評価していることが伺える。ベルギーの若手FWは、今の戦力というより未来を見据えた買い物になるだろう。

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筆者名:結城 康平

プロフィール:「フットボールの試合を色んな角度から切り取って、様々な形にして組み合わせながら1つの作品にしていくことを目指す。形にこだわらず、わかりやすく、最後まで読んでもらえるような、見てない試合を是非再放送で見たいって思っていただけるような文章が書けるように日々研鑽中」
ツイッター: @yuukikouhei

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