今も熱い祖国への想い

パレスティーノは英語でいえば“パレスチナ人"と全くストレートな名前だが、チリにはウニオン・エスパニョーラ(スペイン)、アウダックス・イタリアーノ(イタリア)と、そのルーツが非常に鮮明なクラブも少なくない。

ただあくまでもルーツで選手は特別その移民で占められているわけではなく、現在のチームにもパレスチナ人の選手は在籍していない。

それでもクラブのパレスチナへの愛着は強く、昨年5月にアジアチャレンジカップを制し、アジアカップ初出場を決めた際には激励。また、昨夏パレスチナとイスラエルの攻撃が激化した際にはクラブも正式に追悼と抗議の意を示している。

ちなみに昨年1月にはユニフォームにパレスチナが主張する領土を記載したとして、チリのユダヤ系団体から抗議を受けている。その画像がこちらだ。

背番号の「1」をパレスチナが主張する領土の形に

ユニフォームの前にも

また、クラブハウスにも同様に・・・


クラブは「ユニフォームは前年から使用していた」と主張したが、チリサッカー協会は「いかなる政治的、宗教的、性的、民族的、社会的、人種差別的主張も認めない」とし、パレスティーノに1300ドルの罰金を命じた。しかし、このように祖国パレスチナへの想いは現在も非常に強いというわけだ。

【次ページ:チリ出身のパレスチナ代表DF】