クラウス・ルンデクヴァム

「子供の頃からいつも競争を行い、それに駆られていた。そして、間違った選択をして、アルコールとコカイン中毒になってしまった。それはあまりに自己破壊的だった。

仲間意識を失う。それは選手を終えることについて最も難しい部分である。自分にとっては、それはかなり厳しいものになった。

私にとって、『助けを求める必要がある』ということを認めるのは難しかった。サッカーを失って苦しんでいることを認められなかった。

自分はいつも強くあろうとしてきたし、そして、涙を見せたり、感情を表すことに慣れていなかった。

人生の中の25年間、私はサウサンプトンでもノルウェーでもキャプテンだった。強くあらなければならなかったんだ。アルコールとドラッグによって目が曇っているときには、特にそれを受け入れることは難しい。

唯一の道は、自分が助けを必要としていることを認め、ただ手を挙げることなのだ」

2014年にFIFPro(国際プロサッカー選手協会)は「現役選手の26%に精神疾患がある」と衝撃的な報告を行っている。

ドイツ代表のロベルト・エンケ、元ウェールズ代表MFギャリー・スピードなど複数のサッカー関係者が実際に自殺でこの世を去っており、メンタルケアの重要性は近年ますます増加している。

イングランドでは実際に英国プロサッカー選手協会の会長を努めていたクラーク・カーライル氏もトラックに飛び込む自殺未遂事件を起こしていた。

今年6月には偶然失踪事件を起こしたことで精神疾患の治療をスタートさせることが出来たというジェイミー・バーンウェルのケースも紹介されて話題になった。彼も「助けを求められなかった」とルンデクヴァムと同じような心理状態を明かしている。

サッカーのマーケット、そしてそれに対する注目度が膨らむと同時に、引退した選手たちの生活には大きなギャップが生まれていく。それに苦しむ元選手たちに対するケアは、今後ますます求められるものになっていくはずだ。

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