相違点:サイドの実力&センターバック
逆に、違うところと言えばサイドラインの個人能力だろう。サウジアラビアの2列目のアタッカーはアジアでも最高レベルだ。
圧倒的なスピードを持つファハド・アル・ムワラッド、強烈な切れが武器のナワフ・アル・アビード、天才的な左足を持つヤハヤ・アル・シーフリ。
更に右サイドの奥からはバズーカのような右足とスピードを持つハッサン・マーズ、左からはパワフルなマンスール・アル・ハルビが上がってくる。
これらの個人の高い能力はオマーンとやや差があるところだ。中心となるカーシム・サイードらがどれだけ頑張ってもサウジには全く及ばない。
また、センターバックについては両チームそれほど安定しているとはいえないが、サウジアラビアのほうがパワーとスピードの面で格段に上である。オマーン相手に点を取れるバターンも、彼らには通用しない可能性が高いだろう。
オマーンはどちらかといえば中東でもフィジカル面に優れていない国だ。シリア、ヨルダンより下、クウェートと同等、イエメンやレバノンよりは上といった感じである。ボディコンタクトというポイントではかなり相違があるとも言える。
それらを踏まえて考えれば、「主導権を握ればどちらも怖いチームだが、主導権を握るための能力に差がある」。
このようなチームを相手にしてどう2列目を封じるかというシミュレーションはできる、という結論になるだろうか。勝つか勝たないかよりも「内容」に視点を向けたい試合である。サウジアラビア戦に向けて良い準備につなげてほしいところだ。