多彩な攻撃が首位を走る原動力に

23節を終えて2位・鹿島との勝ち点差を8とし、首位を快走する横浜FM。得点はリーグトップの50を数え、得失点差は断トツの25を記録するなど、圧倒的な数字でリーグ優勝へと突き進む。その原動力となっているのが、 “多彩な攻撃パターン”だ。

基本戦術は最終ラインからのビルドアップをベースとしたポゼッションで、淀みないパス交換から前線へボールを供給し、複数人が互いにサポートしながら、コンビネーションで崩していく。

ここで重要となるのが、サイドバックの動きだ。ウイングがタッチライン際に位置取り幅をもたらす場合は、ボランチ付近でビルドアップに参加またはインナーラップして相手DFを引きつける。

一方、ウイングが中央に切り込みゴール前へ侵入する場合は、後方からウイングの外側を追い越して攻撃に厚みを生み出す。左右どちらかではなく、両サイドでこの動きを実現できており、相手に的を絞らせない効果的な攻撃が可能となっている。

そして、トリコロールの強みはポゼッションからの崩しだけではない。前線は走力に自信があるアタッカーが多く、スピーディーなカウンターはショート、ロング問わず破壊力抜群だ。

また、サインプレーを織り交ぜたスローインなどバリエーション豊かな攻撃で脅威を与え続けるのが特長で、「やっぱりボールを動かせますし、どんどん湧き出てくるような攻撃を90分通してやられていたイメージもあります」(鹿島/土居聖真)という対戦相手のコメントが、その凄さを物語る。