一方、天王山を制した神戸もまた多少の課題を残している。相手にボールを持たせて隙を見てカウンターに出る戦術がはまっており、支配率50%を下回る12試合のうち負けは1つだけ。この試合もF・マリノスにボールを持たせ、カウンターを仕掛けては何度もF・マリノスの守備陣を脅かしていた。

シュートはF・マリノスを上回る16本を放っており、多くのチャンスを作っていたことは間違いなかった。しかし、結果的に得点はPKとコーナーキックのみ。カウンターから決めることはできなかった。

この日はPKに救われる形になったが、きっかけが得意のセットプレーで、2点目もコーナーキックから奪った。F・マリノスの弱点を突き、チームの強みを出せたことは上位陣との対決を3試合残している神戸にとってプラスだ。

守備の面で言えば、この試合は左サイドをヤン・マテウスに崩されに崩され、しまいには左サイドバックの初瀬亮が脳震盪で交代するなどのアクシデントが起こり、今後に向けて多少不安を残した。

しかし、次の試合は10月21日のホームでの鹿島戦。神戸はカップ戦がなく、F・マリノス戦の反省をもとに改善することができるチャンス期間である。時間をどのように使いチームを向上させていくのか。優勝に向けた大きなポイントとなる。

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明暗がはっきりと分かれた天王山。F・マリノスはサポーターからも厳しい声が飛び、一方の神戸は今後の上位陣との対戦に向けて好スタートを切った。

J1は残りあと5試合。どのような結末を迎えるのか注目したい。

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