Cote d'Ivoire
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3
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2-1
1-1 |
2
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Denmark
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ウェドラオゴ サグボ シオ |
18' 36' 76' |
得点者
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43' 80+3' |
B・ニールセン モアテンセン |
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カウンターを得意とするチーム同士が決勝戦に残り、そしてこの試合の鍵もカウンターとなった。
コートジボワールの前線に揃う個人能力が高い選手を警戒したデンマークは、キックオフから引き気味に布陣を組み守りを固めて反撃を狙った。この試合最初のチャンスはデンマークにあり、ロングボールからリンが右サイドの裏に飛び出して、グラウンダーのクロスをビレ・ニールセンがゴールに押し込んだ場面があった。しかしこれはクロスの前にゴールラインを割っていたために得点は取り消された。
しかし、デンマークはこのチャンスを逃した後、徐々に劣勢となっていくことになる。その切っ掛けは18分、バガヨコのパスからバイタルエリアに進入してきたウェドラオゴを止められず、切り返しでコースをこじ開けられてしまい得点を許したことだった。
この失点はスコア以上に影響を与えた。デンマークは点を取り返さなければいけないため、自ら攻撃を組み立てて行かなくてはならなくなった。しかし彼らは後方の選手の技術力が低く、自らビルドアップしていくことは苦手だ。しかもサイドバックに展開力がないため、選択肢としては中央の選手を使うしかない。それがコートジボワールにバレており、的確にプレッシャーをかけられてしまったのだ。結果、ボランチに預けた瞬間にデブレを中心とした早いプレッシングによって囲まれ、展開できない間にボールを奪われてしまう場面が頻発し、全く攻められない上にカウンターを受けるという絶体絶命の状況になったのである。
デンマークにとって辛かったのはこれだけではなかった。コートジボワールはリードしても決して守りに入りすぎず、ボールをキープして守りの時間を減らすプレーもしっかり行っていた。足元の技術がある選手が多く、パス回しも質が高いため、なかなかデンマークは反撃したくてもボールの奪い所がなく、押し込まれてしまったのである。良いところを全く見せられないまま、前半終了間際にもバガヨコのクロスからサグボにゴールを許し、さらに失点を重ねる結果となった。
43分にはロングスローから守備のミスを利用してビレ・ニールセンが得点王を決定づける今大会5つ目のゴールをあげて一点差に詰め寄ったが、試合の流れを変えるには至らなかった。後半も劣勢が続き、ついに76分にビェランのクリアボールをシオに拾われ、強烈なボレーシュートを決められてしまい3点目を奪われることとなった。
ロスタイムが3分過ぎたところでアルベックのフリーキックからモアテンセンがゴールを決めて、デンマークはチャンスが少ない中で意地は見せたものの、結局この直後に試合は終了となった。1点差ながら内容では完敗であり、今大会好調であったデンマークにとっては苦い決勝戦となった。
優勝したコートジボワールは、攻撃と守備、個人と組織がバランス良く融合された好チームであった。各選手の高い身体能力と技術に加え、アフリカ勢とは思えない戦術眼も備えており、良い育成がなされていることが伺える。中でもセンターバックのフィード能力の平均的な優秀さは現在のフル代表にもない部分であり、今後のさらなる強化にも期待が持てる。結果論ではあるが、強みと共に明らかな弱点も抱えていたフランス、チリ、デンマークより上を行っていたともいえるだろう。