既にグループリーグを突破し、引き分け以上で首位通過が決まるブラジルと、引き分け、また敗れてもコートジボワールとの得失点差で優位に立つポルトガルの一戦。

引き分けで手堅く突破を決めたいポルトガルがC・ロナウドを残して9人が引く守備的な戦いをしたため、前半こそ球際で激しくイエローカードが乱発したが、90分を通してみれば決定機は数えるほどの見所の少ない試合となった。終始ボールを支配したブラジルだが、惜しかったのは前半にニウマールのシュートがバーを叩いたシーンのみ。後半はポルトガルの守備をこじ開けられないストレスや選手交代による守備の乱れ、マイコンとアウヴェスの背後を突かれてカウンターから何度か危険なシーンを作られ、ロナウドの仕掛けからメイレレスに決定機を与えたが、ジュリオ・セーザルのファインセーブで失点を凌いだ。

結果はスコアレスドローで共に決勝トーナメント行きを決めたが、無得点ながら組織的な守備から速攻という指示を貫徹したポルトガルに比べ、ブラジルはずっと懸念されてきたカカ不在、引かれた相手の攻略に代役のジュリオ・バチスタをはじめ何も見出せず、試合中にはドゥンガ監督が不満を露わにするなど、ただストレスと累積警告だけが溜まる対照的な一戦となった。

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