「言ってしまえば、現行の審判制度で行われるW杯は、今回が最後だろう。」
とFIFAの事務局長、ジェローム・ヴァルッケはBBCのインタビューで述べた。
つまり、今まで何やかんやと理由をつけて審判制度の改定を拒んできたFIFAが、ようやく重い腰を上げたということだ。次回のFIFA総会で、ゴールラインを割ったかどうか判定する技術の導入などが話し合われる予定だという。
FIFAのゼップ・ブラッター会長は、「人的ミスもまた、試合の一部である」と言い続けてきた。 またあるときは、「サッカーの試合は世界中どこでも同じルールで行われなければならない」だとか、「サッカー界の伝統を重んじる」といった詭弁が用いられてきた。
今回のW杯、また2008-2009シーズンのCLチェルシーvsバルセロナの様な事態が続いて行けば、いつか審判が襲われ、死に至ることも十分に考えられる。そのとき、FIFAは審判の家族に対して「あなたの夫はサッカーの美学と伝統のために犠牲になられました。彼の行いは誇るべきものであり、加害者は必ずや相応の報いを受けることになるでしょう。」と言うのだろう。もしかしたら、記念にユニフォームとボールペンくらいはつけてくれるかもしれない。