エドウィン・ファン・デル・サールの今季での引退がほぼ確定的となり、新守護神の引き入れ準備を行なわなくてはならないユナイテッド。監督のアレックス・ファーガソンは「今冬の補強はない」と明言しているが、可能であれば、来季の移籍市場が開く前に、特定のプレーヤーとある程度まで交渉を進めていきたいところだろう。最近までは、現ドイツ代表正GKのマヌエル・ノイアーをメインターゲットにしているという見方が強く、シーズン終了後には真剣に獲得交渉に動くのではないかと見られていたが、昨日、ドイツ人はドイツ人でも別のGKの名前が浮上した。
彼の名前はレネ・アドラー。現在、レヴァークーゼンのゴールマウスを守り、W杯の本大会が始まるまでは同代表のファーストポジションを担っていた男である。
「レヴァークーゼンの幹部とはもう話は済んでいる。4月までは契約延長を含めてどことも交渉するつもりはないってね。今はチームのチャンピオンズリーグ出場権獲得に集中したいんだ」
「だけど、多くの人達は、僕には野望があり、憧れのクラブがマンチェスター・ユナイテッドであることを知っていると思う。もちろん、クラブのフロントもさ。僕が小さい時、周りの子供達は、ドイツやMTVのアニメ番組に夢中だった。だけど、僕のヒーローは常に一人。ペーター・シュマイケルだけだった。彼のファンタスティックなプレーが本当に大好きで、彼がテレビに映る度に虜になったよ」
「ベッドの周りはシュマイケルやユナイテッドのポスターで埋め尽くされていた。ガスコインやジダンも僕にとってはヒーローだったけど、シュマイケルほどの強烈な印象を与えたくれた選手はいない」
アドラーが英国紙『The Sunday Mirror』のインタビューの中でこのように語った事実は、直接的にユナイテッド入りを後押しする要因にはならないかもしれないが、ファーガソンにとっては予想外の嬉しい逆アプローチだろう。
―愛するクラブで、自身が憧れた選手と同じ背番号を背負い、そして、子供達に同じ様に夢を与える―
出来過ぎた話かもしれないが、叶えて欲しいと願うサッカーファンは決して少なくないはずだ。
(筆:Qoly編集部 T)