アジアカップ 過去のMVP Vol.5 ゴダダド・アジジ (イラン/アジアカップ1996)

イラン代表と聞いてアリ・ダエイに次いで日本で馴染みのある選手と言えば、ドイツやオーストリアなど欧州リーグでもプレーし、ペルシャ人ながら都並敏史氏とジャッキー・チェンを足して2で割ったような風貌を持つ小さなドリブラー、コダダド・アジジではないだろうか。

UAEで開催された1996AFCアジアカップはそのアジジが輝きを見せた大会のひとつだ。得点こそ2ゴール(グループステージのサウジアラビア戦と、準々決勝の韓国戦でそれぞれ1ゴール)であったが、得意とするドリブル突破からのチャンスメイクやアシストを見せ、エースのアリ・ダエイらと共に攻撃陣を牽引。チームの3位入賞に大きく貢献した。その活躍が認められ大会MVPを受賞すると、1996年のアジア年間最優秀選手にも輝いた。尚、UAE大会のイラン代表は参加チーム中最高の14ゴールを記録し圧倒的攻撃力を見せつけ、さらにフェアプレー賞を受賞するなど印象に残るチームだった。

最後に、アジジと言えば1997年ジョホールバルでのワールドカップ第3代表決定戦直前に、車椅子に乗って日本の報道陣の前に現れ、出場が困難だと思わせながら試合当日にはスタメンで出場した事件が印象的だった。この情報操作は今も尚、日本のサッカーファンの記憶に残っており、2011AFCアジアカップの準々決勝直前にカタールのフサイン・ヤセルがチーム内での内紛により代表追放との報道があった際に、「本当に追放されたのか!?アジジのように出場してくるのではないか!?」といった憶測が飛び交うなど、こう言ったケースではネタとして名前が挙がり、憎めないキャラクターとして愛されている選手でもある。

(筆:Qoly編集部 Y)

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