2011年7月7日(木) - ヌエボ・エスタディオ・コロナ(トレオン)
Germany
2
1-1
1-2
3
Mexico
イェジル
カン

10'
60'

得点者
3'
76'
90'
フリオ・ゴメス
エスペリクエタ
フリオ・ゴメス


ドイツとの死闘を制した地元メキシコが決勝戦へと駒を進めた。ホームで攻撃的に戦ったメキシコ、そしてコンディションの悪さから守備に問題を抱えていたドイツという立場が、非常に試合をスリリングな攻め合いにした。

メキシコは試合開始からわずか3分、早くも先制点を奪取する。左サイドからカバジェロがクロスを上げると、逆サイドから絞ってきたゴメスがフリーでヘディング。ドイツの集中力欠如を利用してリードを奪った。

その後一旦逆転を許す。10分にはカウンターからカンの持ち上がりを許し、イェジルにカットインからのシュートを放たれてネットが揺れた。さらに60分にも同じようにカンに中央を突破され、今度はそのままペナルティエリアまで侵攻を許して失点した。

しかし76分にエスペリクエタが右コーナーキックから直接ゴールに決めて同点。このときファーポストでケディラに突っ込んだゴメスが頭部に裂傷を負い流血し、一旦はプレー続行が不可能になるかと思われたが、数分後にテーピングをぐるぐる巻きにしてピッチに戻ってきた。

そして90分、同じくエスペリクエタの右コーナーキックから逆転ゴールを奪取する。ニアでDFが触りファーに流れたボールに対し、フリーで待っていたのは痛々しい姿のゴメス。すかさずバイシクルシュートで叩くと、見事ゴールに決めた。劇的な得点、劇的な逆転で地元メキシコがファイナルへと進出した。

ドイツは非常に地力があるチーム。しかし開幕からほとんど同じメンバーで戦ってきているため、決勝トーナメントに入ってから非常に動きが鈍い。攻撃に関しては個々の技術と連携でなんとかなるが、守備では序盤戦で見られたプレッシングがほとんど行えなくなっている。

後半開始直後「メキシコのパスの出所を抑えようと完全な4-1-4-1にしてプレッシングをかけて、数分で切れてしまった」という場面を見るに、狙いであるというよりもおそらくかけようとしてもかけられない状態にある。良く動くメキシコに対しては、前線へのパスを止められずフィエロやブエノに楔を入れられており、守備はまず機能していなかった。

今回はトルコ系ばかりの面子だが、「常に勝ちに行く」というドイツらしいやり方で大会を戦った。しかしチームはハードスケジュールに耐えきることが出来ず、結局最終的にはコンディションが落ちた。選手の能力だけを見ればブラジルをも上回るだけのものがあるが、大会全体を通した戦略という面ではチームに苦しい流れを作ってしまったといえる。


(筆:Qoly編集部 K)

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