11日の2014W杯アジア3次予選で日本代表に0-8の大敗を喫したタジキスタン。
一方で、
「勝つ確率は1/100か、1/200か、1/1000ぐらい。 日本はスターが多く、洗練されている」
「ベストメンバーで戦ってくれた事に感謝している。日本はビッグなチーム。私達は勉強しにきた身分だ」
といった控えめで誠実な発言によって代表監督アルムジョン・ラフィコフの名は日本国内でも注目される存在となった。彼はどの様な人物なのだろうか?
1962年に旧ソ連で生まれたラフィコフ氏は、現役時代は、パフタコール、ゼニト、カイラト、KAMAZといったソ連のチームでDFとしてプレーし、カイラト時代の1988年にはソ連杯で優勝も経験。ソ連崩壊後はタジキスタン、ロシアの二重国籍となっており、2010年途中からエステグラル・ドゥシャンベ(もしくはイスティクロル)で監督キャリアをスタートさせたばかりの新米監督であるが、1年目にリーグ優勝を果たしている。エステグラル・ドゥシャンベはアジアの中でも新興国のクラブチャンピオンが集まる2011年のAFCプレジデンツ・カップにも出場しており、息子のルスラン・ラフィコフもプレー。2006W杯におけるクロアチアのクラニチャル親子ではないが親子鷹となってチームを牽引している。
シリアの失格によって急遽出場となった2014年W杯3次予選では代表監督が不在であったため今年8月にリーグ優勝監督であるラフィコフ氏が暫定就任、クラブ監督との兼任となっている。今のところ、2014年W杯3次予選における0勝3敗というのが彼の代表監督キャリアの全てであるが、同時期に代表GMにエモマリ・ラフモン大統領の長男ルスタミ氏が就任。2007年のU-17W杯で決勝トーナメントに進むなど若手の育成も進んでいるだけに、ルスタミ氏が政府のバックアップを要請できればアジアの中でも面白い存在になれそうだ。
最後はやはり彼の発言で締めくくろう。
「(2014年W杯3次予選)C組の対戦相手は強豪ぞろいだが、誇り高く戦う」(就任会見より)
「今日我々は12人の選手で戦った。サポーターがエキストラ・マンだったんだ」(昨年のAFCプレジデントカップ初戦後に)
http://www.fc-istiklol.tj/より。エステグラル公式サイトでも日本戦の動画と会見全文が記載されている。
(筆:Qoly編集部 Q)