現在は意識を取り戻したボルトンのファブリス・ムアンバ。2005年にアーセナルのトップチームでデビューしているが、当時キャプテンだったソル・キャンベルがムアンバについてガーディアン紙に語っている。

2005年のカーリングカップ。サンダーランドのスタジアム・オブ・ライトで3-0の勝利をあげた時にムアンバはデビューした。そして私はアーセナルのキャプテンだった。

私はあまり明確にその試合を覚えていないのだが、ファブリスは素晴らしい若者だったと話すことが出来る。私は長年アーセナルでプレーして多くの異なる選手たちと会ったが彼は目立っていた。このような厳しいことが起きてしまったが、彼は笑顔を絶やさない驚くくらい本物の紳士だ。

サンダーランドとの試合は7年前、彼が17歳の時だ。誰でもアーセナルのトップチームに入れるわけではないが若い彼には可能性があった。ファブリスは常に学ぶ姿勢があり、いつも知識を吸収しようとしていたんだ。そして彼は試合ではいつも110%の力を出す選手の一人だった。非常に体力もあったしボールも上手く運べる。その上ピッチを離れても素晴らしい態度をとっていた。

2007年にアーセナルからバーミンガムにローン移籍したが、彼は自発的で有能な選手だった。2008年にファブリスはボルトンに移籍。そこでのフィットと活躍をあなた方は見ることが出来ただろう。

彼が故郷であるコンゴからイングランドにやってきた時はまだとても若かった。彼は言葉を話さなかった。その後英語を勉強し始めイングランドの精神にもフィットするようになる。同時にこれらのこと全てを管理できるということは、本当の知性を示しているし賞賛に値する。プロのフットボール選手として、私はそのことが簡単ではないと知っている。完全に異なる文化に適応しなくてはいけないからこそファブリスの成し遂げたものはいっそう賞賛に値するんだ。

彼に起こったこのことは酷いことだ。彼はわずか23歳、ピッチ上で心停止してしまった。このことは選手達全員が診断を受けたとしても全てを見つけることはできない。彼には今まで何も問題もなかったがそれが突然やって来た。正直なところ、このような若者に起こったことは全くもって怖いし酷いことだ。私はファブリスに対してあまり話すことはできない。そして彼はこの苦境と戦っている。神を介して彼をこっちの世界に戻してほしい。

ムアンバは現在自力で呼吸しながら最低限の言葉も喋れる状態にあるが、依然として予断を許さない状況だ。世界中のサッカーファンが彼の無事を祈っている。

(筆:Qoly編集部M)

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