幾多の窮地を乗り越えたチェルシーが初の栄冠に輝いた今シーズンのチャンピオンズリーグ。
1-1のまま迎えた延長戦でも決着がつかず、PK戦にまでもつれ込んだファイナルについて、『bleacherreport.com』が行った分析をご紹介する。
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試合が83分までゴールなく進んだことはクレイジーといえた。得点機会は多々あったのだ。ということで、2つの別シナリオを提示してみる。もしこの通りになれば、また別の結果になったはずだ。
まずはチェルシー。
ホルガー・バートシュトゥーバーを欠いたバイエルンはディディエ・ドログバへの畏怖がありありと見て取れた。バイエルンともあろうトップクラブが布陣を変えてまでコートジボワール代表FWへのボールを遮断するため、3人もしくわ4人ものマークを付けたのは驚きだった。
そこで、チェルシーはカウンターアタックに光明を見出し、ボールを速くサイドに展開すべきだった。ドログバはファーサイドのCBとサイドバックの間に位置し、その2人とボランチの注意を引きつける。
ルイス・グスタヴォの代わりに(シュバインシュタイガーとボランチを組んだ)トーニ・クロースは本来のポジションではないため、 サイドバックのフォローに入る際の位置取りがよくない。 また、シュバインシュタイガーもドログバの存在を気にするあまり、位置取りが低くなる。 ボールを受けに中盤に下りてくるFWに蓋をするのは彼の役目なのだ。
ツꀀその際、エリア内へのクロスを警戒したバイエルンの中盤にスペースができる。バートランドから相手の横っ腹に位置する一番遠いサロモン・カルーにつながるレーンが空くのだ。
事実、カルーは際どいシュートを1本放ったが、ノイアーに寸でのところで防がれた。
この試合のチェルシーは攻撃の組み立てに正確性を欠き、上記のような状況を作るのにはカウンターのスピードも足りなかったので、ゴールを掴みとれなかった。 ただ、バイエルンは明らかにドログバを恐れていたので、このような攻撃ができれば流れの中でも決定機が生み出せたはずだ。
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続いて、バイエルのケース。
ユップ・ハインケスがドログバを恐れて戦術を変更したのと同様、ロベルト・ディ・マッティオも相手右サイドを警戒していた。
フィリップ・ラームとアリエン・ロッベンを警戒し、ディ・マッティオは本来サイドバックのライアン・バートランド(qoly注;もともとはFW出身でもある)を中盤左サイドに配置した。 事実、コールとバートランドはバイエルンのデュオを抑えこんだが、彼ら2人は対峙するマーカーを追って、外に引っ張られる傾向にあった。
そのため、左CBのダヴィド・ルイスが取り残されることになるが、負傷明けのブラジル代表DFがサイドまで広くカバーするのは難があった。 外に引っ張られがちなコールとルイスの間にマリオ・ゴメスがフリーで飛び込めるスペースが度々生まれていた。事実、後半開始4分の間に3回もスペースは空いていたのだ・・・。
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チェルシーには賛辞を送りたい。彼らがトーナメントを通じて見せつけたディフェンス面での結束がチームにタイトルをもたらした。とはいえ、この決勝戦でバイエルンはドログバを異常なまでに警戒していたし、チェルシーのディフェンスにも綻びがあったのも事実だ。
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【CLファイナル・ハイライト】
(権利元の都合により埋め込みコードの掲載を取りやめました)(筆:Qoly編集部 I)