番狂わせを演じられる魅力的な人材
ウクライナと共にEURO2012のホスト国という大役を担うポーランド。
ポーランド代表は、長きに渡って「組織力」をベースにし、「堅い守備」、「走力を活かした速攻」を信奉としてきたが、ここ数年の間にその特徴は大きく変化していった。そして、現在の“ビアウェ・オルウィ”(ポーランド代表の愛称)の色もこれまでのものとは大きく異なる。
2009年に代表監督に就任したフランツィシェク・スムダ監督が注力してきたのは、積極的で効果的なムービングとリズミカルなパス交換が作り上げるポゼッションサッカーだ。ネームバリュー的には、ブンデスリーガ2連覇を果たした、ロベルト・レヴァンドフスキ、ヤクブ・ブワシュチュコフスキ、ウカシュ・ピシュチェクの「ドルトムン三銃士」が抜きん出た存在だが、彼ら以外のプレーヤーも実力十分。
最後方には、アーセナル不動の守護神として数々のビッグセーブを魅せてきたヴォイツィエフ・シュチェスニがそびえ、DFラインには元フランスU-21代表経験者のダミアン・ペルキスや魂を感じさせるハードな守備が光るマルツィン・ヴァシレフスキが存在。そして、中盤には、チャンスメイカー兼シャドーストライカーとして異彩を放つマツィエイ・リブス。高いキープ力とクレバーなゲームメイク能力に豊富な運動量も兼ね備えるルドヴィク・オブラニャク。「走れる司令塔」ラファウ・ムラフスキ。多彩なパスワークと繊細なボールタッチに定評のあるアドリアン・ミエジェイェフスキと多種多様な実力者が混在している。
また、EURO2012本大会に向けたメンバーの中で面白いのは、上記で挙げたペルキスのような「鞍替え組」の存在だ。セバスティアン・ベーニッシュ、エウゲン・ポランスキは、2011年からポーランド代表に参加しているが、彼らはドイツの各ユース代表として活躍した“元ドイツ人”。EURO2008では“元ブラジル人”の技巧派ロジェル・ゲレイロが話題となったが、彼と違い「鞍替え組」はユース代表としての実績も十分であり、今大会ではチームに大きなメリットを与えるはずだ。
なお、EURO2012に向けた登録候補メンバー23名は以下の通り。
# | 名前 | 所属クラブ | 生年月日 | 身長/体重 |
---|---|---|---|---|
GK | ||||
1 | ヴォイツィエフ・シュチェスニ (Wojciech Tomasz Szczト冱ny) |
アーセナル (ENG) |
1990/4/18 | 195/84 |
12 | グジェゴシュ・サンドミエルスキ (Grzegorz Sandomierski) |
ヤギェロニャ・ビャウィストク | 1989/9/5 | 196/88 |
22 | プジェミワフ・ティトン (PrzemysナBw Tytoナ萀) |
PSV (NED) |
1987/1/4 | 195/80 |
DF | ||||
2 | セバスティアン・ベーニッシュ (Sebastian Boenisch) |
ブレーメン (GER) |
1987/2/1 | 191/86 |
3 | グジェゴジュ・ヴォイトコヴィアク (Grzegorz Wojtkowiak) |
レフ・ポズナン | 1984/1/26 | 184/75 |
4 | ダミアン・ペルキス (Damien Perquis) |
ソショー (FRA) |
1984/4/10 | 184/83 |
13 | マルツィン・ヴァシレフスキ (Marcin Wasilewski) |
アンデルレヒト (BEL) |
1980/6/9 | 186/88 |
14 | ヤクブ・ヴァヴジニャク (Jakub Wawrzyniak) |
レギャ・ワルシャワ | 1983/7/7 | 188/88 |
15 | マルツィン・カミンスキ (Marcin Kamiナгki) |
レフ・ポズナン | 1992/1/15 | 190/80 |
20 | ウカシュ・ピシュチェク (ナ「kasz Piszczek) |
ドルトムント (GER) |
1985/6/3 | 184/75 |
MF | ||||
5 | ダリウシュ・ドゥトゥカ (Dariusz Dudk) |
オセール (FRA) |
1983/12/9 | 182/71 |
6 | アダム・マトゥシュチュク (Adam Matuszczyk) |
F・デュッセルドルフ (GER) |
1990/2/14 | 183/73 |
7 | エウゲン・ポランスキ (Eugen Polanski) |
マインツ (GER) |
1986/3/17 | 183/73 |
8 | マツィエイ・リブス (Maciej Rybus) |
テレク・グロズヌイ (RUS) |
1989/8/19 | 172/75 |
10 | ルドヴィク・オブラニャク (Ludovic Joseph Obraniak) |
ボルドー (FRA) |
1984/11/10 | 174/72 |
11 | ラファウ・ムラフスキ (Rafaナ舀 Murawski) |
レフ・ポズナン | 1981/10/09 | 175/76 |
16 | ヤクブ・ブワシュチュコフスキ (Jakub BナBszczykowski) |
ドルトムント (GER) |
1985/12/14 | 175/71 |
18 | アドリアン・ミエジェイェフスキ (Adrian Mierzejewski) |
トラブゾンスポル (TUR) |
1986/11/06 | 176/70 |
19 | ラファウ・ヴォルスキ (Rafaナ舀 Wolski) |
レギャ・ワルシャワ | 1992/11/10 | 179/66 |
21 | カミル・グロシツキ (Kamil Grosicki) |
シヴァススポル (TUR) |
1988/6/8 | 177/75 |
FW | ||||
9 | ロベルト・レヴァンドフスキ (Robert Lewandowski) |
ドルトムント (GER) |
1988/8/21 | 183/79 |
17 | アルトゥル・ソビエフ (Artur Sobiech) |
ハノーファー (GER) |
1990/6/12 | 184/75 |
23 | パヴェウ・ブロジェク (Paweナ舀 Broナシek) |
セルティック (SCO) |
1983/4/21 | 180/72 |
なお、ウカシュ・ファビアンスキは当初代表候補メンバーに選出されていたが、肩の故障により離脱している(5/26)。
フォーメーション
(筆:Qoly編集部 T)