Greece
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1
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1-0
0-0 |
0
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Russia
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カラグニス | 45+2' |
得点者
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ギリシャはポーランドとの開幕戦で退場したパパスタソプロスが復帰。一方のロシアは体調不良のジリャノフに代わりグルシャコフが入った以外、前2試合と変わらず。おそらく今大会で枠外シュート率No.1のケルジャコフがこの日もスタメンに名を連ねた。
序盤、ギリシャがセットプレーでチャンスを迎えるが、試合のペースを握ったのはやはりロシア。チーム全体でポゼッションを行い、縦パスが入った瞬間からスピードを上げて一気にフィニッシュ、駄目ならやり直すという意識が統一されており、グループ戦術としては今大会屈指のレベルにある。ただ、技術面ではやはり一部の選手を除いて一段落ちるため、この試合でもケルジャコフを筆頭にチャンスを生かせない場面が続く。
そうした流れで迎えた前半アディショナルタイム、思わぬ形でスコアが動いた。右サイドから前線へ投げられたギリシャのスローインをイグナシェヴィチが誤って後ろへ流してしまい、抜け出したカラグニスが豪快なシュートをゴールネットへ突き刺す。前半ほぼ守り通しだったギリシャが貴重な先制点を奪取。ロシアにとっては最も注意しなければならない時間帯でのまさかのミスであった。
負けると厳しくなるロシアはさすがにケルジャコフを諦め、後半頭からパヴリュチェンコを投入。攻勢に出ようとするが、点を取らければならない状況を乗り越えたギリシャがここから持ち前の試合巧者ぶりを発揮する。ゲームのスピードを遅らせて相手のイライラを誘いつつ、この試合も抜群のキープ力を見せていたサマラスを基点にカウンター。フェルナンド・サントス監督の動きも早く、64分にゲカスを左サイドバックのホレバス、その3分後にはカラグニスを守備的MFのマコスと入れ替え、前がかりとなったロシアの攻撃をしっかりと受け止める。
ロシアのアドフォカート監督は終盤、ポグレブニャク、イズマイロフといった攻撃のカードを切るが、選手たちは中央からの崩しに固執する傾向が見られ、前線の高さをシンプルに活かす形をなかなか作れない。84分、右サイドからのアルシャヴィンのクロスをニアに走り込んだザゴエフが合わせるも、これは惜しくもポストの左。結局、その後も時間をうまく使ったギリシャが1点を守りきり、今大会初勝利。チェコに次ぐグループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。
ポーランドとの開幕戦、そして1-2で敗れたチェコ戦と、ここまであまり良いところのなかったギリシャ。ただし、自分たちの“勝ちパターン”を持っているのは、優勝したEURO2004以降誰もが認めるところで、ロシア戦ではそれが見事にハマったといえるだろう。
逆にロシアは、キャプテンのアルシャヴィンが大会前のインタビューで「どのチームにも勝てる代わりに、どのチームにも負ける可能性がある」と語っていたように、優位な状況に満足して集中力を欠くというメンタル面の課題が大事な一戦で出た格好。組み合わせに恵まれたことが結果としてマイナスに働いてしまったのかもしれない。
(筆:Qoly編集部 O)