HOME > コラム > 「第一節、エヴァートン戦」 「第一節、エヴァートン戦」 2012/08/23 23:03 Text by db7 親をも唖然とさせるManchester United狂いで川崎フロンターレも応援中。 https://twitter.com/db7seven 記事一覧 「第一節、エヴァートン戦」 他のチームとは異なり、唯一月曜日開催という、待ち遠しくも大半の日本人にとってはビールも飲めないかなり厳しい曜日と時間帯にキックオフが行われた。 事前予想からして香川が先発することは濃厚であったが、問題はファン・ペルシーが先発するかどうか、そしてその時のフォーメーションがどうなるか、という点だった。結局ファン・ペルシーはベンチスタートであり、香川はトップ下の指定席を確保する形でプレミアデビューを果たした。よくよく考えてみて欲しいのだが、この時点で近年の日本サッカー界における個人の最大の出来事と言ってしまうのは少々言いすぎなのだろうか。歴史、栄光、実績、実力、規模、これらの点で世界を代表するクラブである。もちろん長友を過小評価するわけではない。しかし近年の全てを考慮すれば、香川は既に偉業を達成した、とも言えるのではないだろうか。そのあたりはこれから「結果」を出してさらなる歴史を構築してくれると願うばかりだが、いかんせん開幕戦はそうはいかなかった。 昨シーズンもフェライニにやられた。そして今回もやられた。もちろんエヴァートンの最終ラインも奮闘したし、ユナイテッドが不甲斐なかったのは事実だが、誰が見てもユナイテッドの10番とは対称的な髪をした大柄なベルギー人がこの試合の最優秀選手であることに疑いはないだろう。 フェライニの特殊性と言えばそのヘアスタイル以上にやはり体格とインテリジェンスにあると言えよう。東急ハンズやドン・キホーテで売っているような宴会用品並にもっさりとしたそのヘアスタイルを含めれば、実に2m近い身長(公表値194cm)に加え、それを相手に応じて活かすインテリジェンスを持っている。そして、その体格はいわゆるトップ下という位置で発揮されている。これがどんなに恐ろしいことか、というのは試合をご覧になっていた方なら一目瞭然である。身長という点で、あの位置を守る側にしてみれば、ロングボールを放り込まれて勝てるセンターハーフはそうそういない。ゴールとなったヘディング時に、フェライニをマークしていたのがキャリックだったことはミスマッチだった。怪我人も多く、本職でないCBを勤めていた故しかたないかもしれないし、ヴィディッチとて他にもセットプレーでマークしなければならない選手はいる。しかし結果から後付けすればやはりミスだったといえるだろう。しばしばセットプレーでヴィディッチとフェライニはマッチアップしていたが、怪我明けとリオ・ファーディナンドがいないことを差し引いても、ドログバと共にプレミア屈指のエアバトルを繰り広げたヴィディッチに先手を取らせなかったフェライニはお見事であった。空中戦のみならず、時にはサイドに開き、カウンターの時にはピッチを上手くマネージしていた印象だ。 しかしながら、フェライニにある程度やられることは予測していたはずである。怪我人による状況と、それを踏まえた先発メンバーを見れば、守り切るよりもボールを保持して攻めるという意思が示されていた。セントラルはクレヴァリーとスコールズを並べたことを見ればこれは明確だったと言える。そもそも昨シーズンもフェライニを守りきれていないし、それが出来る人材は今のユナイテッドにはいない。そして見事に今回もやられてしまった。コーチ陣の学習能力のなさ、と言う点から見れば結果的にやられてしまったので、非難されるべきであるが、しかしフェライニの凄さもまた評価されるべきである。 ユナイテッド側にも目を向けてみよう。 まず期待していたトム・クレヴァリーは我々を失望させるような出来であった。昨シーズンとは全く異なる出来であり、試合を通して消えっぱなしで、香川の落としもゴールに突き刺すことは出来なかった。この試合を見る限り、クレヴァリーとスコールズを並べることはお互いの長所を消しあっているように見えた。互いの距離も遠く、連携もさっぱりであった以上、ビルドアップもぎくしゃくしており、素早くボールを前線に供給できていなかったことは明らかだった。 ナニも悪いところしか出なかった。好調時はボールをこねくり回し、良質なクロスと強烈なミドルを提供してくれるのだが、悪い時はとことん悪く、球離れの悪さはチームを停滞させた。 ボールを持ったか持たされたか、持っていた時間は長かった。しかしながらそれが有効だったかというと、結果も内容もそうではなかったことを物語る。攻守ともに機能していたとは言いがたい。元々カウンター主体のチームであるし、人材もそのような人材が多いが、ここ数年、特にバルセロナにCLで負けて以降、年々カウンターの精度と威力は落ちていくばかりである。ナニ、アシュリー・ヤング、バレンシアというウィングはプレミア屈指とも言えるが、少なくともスペースの無いとことではただの凡庸な選手に成り下がる危険性を持っている。スペースあっての選手であり、細かなスキルを持たないので、スペースがない遅攻で機能しないのは明らかである。香川はこの点においてどちらでも機能出来るスキルを備えている。 単に結果を求めるのであればおそらくカウンターに特化したほうが手っ取り早く結果を得ることができるだろう。そのような人材だらけなので至極当然なのだが、それでも次世代に向けて何かを変えようと、サー・アレックス・ファーガソンは試行錯誤している。意図的にカウンターとポゼッションすることを使い分けられるクラブが今後結果をだすのだろう。昨シーズンのCLでチェルシーが見せたように、相手によって変えることと変えないことの重要性というのは一つの解答例を示したと思っている。ポゼッションも方法論の一つであり、最優先は勝利である以上、ハイレベルでこれらを両立できるチームが生き残ることなど当たり前なのであるが、いかんせんこれを整備するほうが問題なのだということに気がつく。昨シーズンから批判しているが、ユナイテッドのアシスタント・マネージャーたちにこの能力はない。現場も含めた人材と志向のミスマッチが今年もユナイテッドをタイトルから遠ざけるのであれば、大きな見直しが必要なのは言うまでもない。 しかしながら現実を考えなければならないので、今できる限りの最適解を求めたいと思う。加入間もないファン・ペルシーのフィット次第というのもあるが、彼をトップに置いて、ルーニーを左に回すことだろう。形としては開幕戦同様4-2-3-1という形を思い浮かべてもらえればいい。もちろん香川はあの位置のまま、右のウィングはナニ、バレンシア、ヤングで争ってもらう。ユナイテッドに移籍して以来、ルーニーという選手を眺めているが、非常にフレキシブルな才能を持った選手だというのはみなさんお分かりだろう。しかしそれ故なのか、少々大雑把な面も目に付く。その一つにファーストタッチの大きさがあげられる。最前線に一人でいる以上、ボールを収める動きを求められるが、ここでボールを失うことが少なくない。中央でこれをやられると当然のことながら致命的なカウンターをもらうことがある。この試合では香川との連携は取れていたし、前線の中ではパス交換は非常に多かった。だからこそ香川と縦関係になれば嫌でも楔が入る機会が増える。もっと連携がうまくいけば解消される可能性もあるが、現段階を考えればサイドにおいたほうが、ボールを保持した場合の遅攻の時に活きるはずだと考える。ルーニーのフレキシブル性は、時に彼の欠点をぼやけさせてしまう。なんでもできてしまうように思われるが、実はそうでもないようにも思える。遅攻に持ち込んでおいて、効果的な崩しが殆どできなかったことが開幕戦を落とした要因だろう。選手個人のタレント性に疑いの余地はない。しかしそれを生かせなければ、全ては無と化してしまう。選手のタレント性を存分に発揮させるための戦術は取られるべきだが、理想論先行・現実無視の戦術など、百害あって一利無しである。 センターハーフに関しても色々あるが、これに関しては別の機会に触れたいと思う。さわりだけ触れておくと、一般的に言われる「パッシング・フットボール」を展開する上では「ハイブリット型」の人材が不可欠であると言えるだろう。いわゆるヤヤ・トゥレやブスケツ、以前のヴィエラのような人材を思い浮かべてもらえれば、どのような選手だということか容易におわかりいただけるかと思う。そしてこのタイプの選手は今のユナイテッドにはいないので、別の道を探るか、外から獲得してくる必要がある。これになりうる可能性を持っていたポール・ポグバは自らの意思で去っていった。この件に関しては非常に痛いが、過ぎたことは仕方ない。 香川個人のパフォーマンスにも触れておこう。現地の評価がどうだとかいう報道で溢れかえる日本のマスコミはさておき、私個人から見れば、上手くやっていたように見えた。ただし、全てがポジティブというわけではなく、あくまでまだまだであるという印象も強い。決定機を何度か演出うえ、チーム全体の決定機においても香川は殆ど絡んでいた。だが、そうした役割を果たすことは、チームの勝敗を担うということを意味することでもある。それほどのスキルは持っているし、それを見せていたのは事実だろう。彼が中心となり攻撃を指揮することが出来れば、という可能性は垣間見えた。それを実現させるには連携と信頼がまだまだ足りないという現実も見えた。彼には確かなスキルがある。少々強引な縦パスが入るようになれば、チーム全体にダイナミズムが生まれるはずだ。この試合、ここで香川に縦パスが入れば、という場面も幾度となくあった。それを引き出すにはやはりゴールという結果だろう。それは周りを黙らせ従える。ドルトムントでもそうであったはずだ。ルール・ダービーでそれを成し遂げてからは内外から認められ、いい流れを作ったことは記憶にあたらしい。 昨シーズンは開幕から近年にないスタートダッシュを決めたユナイテッドだが、タイトルは結局逃した。今シーズンは前線も新たに連携を深め、構築する時間が必要だ。本格的なエンジンがかかるのは秋が深まって以降かと思われるが、それまでにどれだけの勝ち点を落とさずにいけるか。開幕戦で見せた課題は非常に多かったが、気が付けば優勝していた、という結果は今年もサー・アレックス・ファーガソンによってもたらされることを期待しようじゃないか。そうやって数多くのトロフィーを勝ち取ってきたのだから。 筆者名 db7 プロフィール 親をも唖然とさせるManchester United狂いで川崎フロンターレも応援中。 ホームページ http://blogs.yahoo.co.jp/db7crf430mu ツイッター @db7crsh01 Facebook {module [170]} {module [171]} {module [190]} 【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名 ラッシュフォードの私服がやばい RELATED TAGS コラム (871) エヴァートン (757) マルアヌ・フェライニ (156) 日本 (1200) ロビン・ファン・ペルシー (312) db7 (70) マンチェスター・ユナイテッド (5658) ベルギー (956) オランダ (1243) 香川真司 (773) イングランド (5217)
「第一節、エヴァートン戦」 他のチームとは異なり、唯一月曜日開催という、待ち遠しくも大半の日本人にとってはビールも飲めないかなり厳しい曜日と時間帯にキックオフが行われた。 事前予想からして香川が先発することは濃厚であったが、問題はファン・ペルシーが先発するかどうか、そしてその時のフォーメーションがどうなるか、という点だった。結局ファン・ペルシーはベンチスタートであり、香川はトップ下の指定席を確保する形でプレミアデビューを果たした。よくよく考えてみて欲しいのだが、この時点で近年の日本サッカー界における個人の最大の出来事と言ってしまうのは少々言いすぎなのだろうか。歴史、栄光、実績、実力、規模、これらの点で世界を代表するクラブである。もちろん長友を過小評価するわけではない。しかし近年の全てを考慮すれば、香川は既に偉業を達成した、とも言えるのではないだろうか。そのあたりはこれから「結果」を出してさらなる歴史を構築してくれると願うばかりだが、いかんせん開幕戦はそうはいかなかった。 昨シーズンもフェライニにやられた。そして今回もやられた。もちろんエヴァートンの最終ラインも奮闘したし、ユナイテッドが不甲斐なかったのは事実だが、誰が見てもユナイテッドの10番とは対称的な髪をした大柄なベルギー人がこの試合の最優秀選手であることに疑いはないだろう。 フェライニの特殊性と言えばそのヘアスタイル以上にやはり体格とインテリジェンスにあると言えよう。東急ハンズやドン・キホーテで売っているような宴会用品並にもっさりとしたそのヘアスタイルを含めれば、実に2m近い身長(公表値194cm)に加え、それを相手に応じて活かすインテリジェンスを持っている。そして、その体格はいわゆるトップ下という位置で発揮されている。これがどんなに恐ろしいことか、というのは試合をご覧になっていた方なら一目瞭然である。身長という点で、あの位置を守る側にしてみれば、ロングボールを放り込まれて勝てるセンターハーフはそうそういない。ゴールとなったヘディング時に、フェライニをマークしていたのがキャリックだったことはミスマッチだった。怪我人も多く、本職でないCBを勤めていた故しかたないかもしれないし、ヴィディッチとて他にもセットプレーでマークしなければならない選手はいる。しかし結果から後付けすればやはりミスだったといえるだろう。しばしばセットプレーでヴィディッチとフェライニはマッチアップしていたが、怪我明けとリオ・ファーディナンドがいないことを差し引いても、ドログバと共にプレミア屈指のエアバトルを繰り広げたヴィディッチに先手を取らせなかったフェライニはお見事であった。空中戦のみならず、時にはサイドに開き、カウンターの時にはピッチを上手くマネージしていた印象だ。 しかしながら、フェライニにある程度やられることは予測していたはずである。怪我人による状況と、それを踏まえた先発メンバーを見れば、守り切るよりもボールを保持して攻めるという意思が示されていた。セントラルはクレヴァリーとスコールズを並べたことを見ればこれは明確だったと言える。そもそも昨シーズンもフェライニを守りきれていないし、それが出来る人材は今のユナイテッドにはいない。そして見事に今回もやられてしまった。コーチ陣の学習能力のなさ、と言う点から見れば結果的にやられてしまったので、非難されるべきであるが、しかしフェライニの凄さもまた評価されるべきである。 ユナイテッド側にも目を向けてみよう。 まず期待していたトム・クレヴァリーは我々を失望させるような出来であった。昨シーズンとは全く異なる出来であり、試合を通して消えっぱなしで、香川の落としもゴールに突き刺すことは出来なかった。この試合を見る限り、クレヴァリーとスコールズを並べることはお互いの長所を消しあっているように見えた。互いの距離も遠く、連携もさっぱりであった以上、ビルドアップもぎくしゃくしており、素早くボールを前線に供給できていなかったことは明らかだった。 ナニも悪いところしか出なかった。好調時はボールをこねくり回し、良質なクロスと強烈なミドルを提供してくれるのだが、悪い時はとことん悪く、球離れの悪さはチームを停滞させた。 ボールを持ったか持たされたか、持っていた時間は長かった。しかしながらそれが有効だったかというと、結果も内容もそうではなかったことを物語る。攻守ともに機能していたとは言いがたい。元々カウンター主体のチームであるし、人材もそのような人材が多いが、ここ数年、特にバルセロナにCLで負けて以降、年々カウンターの精度と威力は落ちていくばかりである。ナニ、アシュリー・ヤング、バレンシアというウィングはプレミア屈指とも言えるが、少なくともスペースの無いとことではただの凡庸な選手に成り下がる危険性を持っている。スペースあっての選手であり、細かなスキルを持たないので、スペースがない遅攻で機能しないのは明らかである。香川はこの点においてどちらでも機能出来るスキルを備えている。 単に結果を求めるのであればおそらくカウンターに特化したほうが手っ取り早く結果を得ることができるだろう。そのような人材だらけなので至極当然なのだが、それでも次世代に向けて何かを変えようと、サー・アレックス・ファーガソンは試行錯誤している。意図的にカウンターとポゼッションすることを使い分けられるクラブが今後結果をだすのだろう。昨シーズンのCLでチェルシーが見せたように、相手によって変えることと変えないことの重要性というのは一つの解答例を示したと思っている。ポゼッションも方法論の一つであり、最優先は勝利である以上、ハイレベルでこれらを両立できるチームが生き残ることなど当たり前なのであるが、いかんせんこれを整備するほうが問題なのだということに気がつく。昨シーズンから批判しているが、ユナイテッドのアシスタント・マネージャーたちにこの能力はない。現場も含めた人材と志向のミスマッチが今年もユナイテッドをタイトルから遠ざけるのであれば、大きな見直しが必要なのは言うまでもない。 しかしながら現実を考えなければならないので、今できる限りの最適解を求めたいと思う。加入間もないファン・ペルシーのフィット次第というのもあるが、彼をトップに置いて、ルーニーを左に回すことだろう。形としては開幕戦同様4-2-3-1という形を思い浮かべてもらえればいい。もちろん香川はあの位置のまま、右のウィングはナニ、バレンシア、ヤングで争ってもらう。ユナイテッドに移籍して以来、ルーニーという選手を眺めているが、非常にフレキシブルな才能を持った選手だというのはみなさんお分かりだろう。しかしそれ故なのか、少々大雑把な面も目に付く。その一つにファーストタッチの大きさがあげられる。最前線に一人でいる以上、ボールを収める動きを求められるが、ここでボールを失うことが少なくない。中央でこれをやられると当然のことながら致命的なカウンターをもらうことがある。この試合では香川との連携は取れていたし、前線の中ではパス交換は非常に多かった。だからこそ香川と縦関係になれば嫌でも楔が入る機会が増える。もっと連携がうまくいけば解消される可能性もあるが、現段階を考えればサイドにおいたほうが、ボールを保持した場合の遅攻の時に活きるはずだと考える。ルーニーのフレキシブル性は、時に彼の欠点をぼやけさせてしまう。なんでもできてしまうように思われるが、実はそうでもないようにも思える。遅攻に持ち込んでおいて、効果的な崩しが殆どできなかったことが開幕戦を落とした要因だろう。選手個人のタレント性に疑いの余地はない。しかしそれを生かせなければ、全ては無と化してしまう。選手のタレント性を存分に発揮させるための戦術は取られるべきだが、理想論先行・現実無視の戦術など、百害あって一利無しである。 センターハーフに関しても色々あるが、これに関しては別の機会に触れたいと思う。さわりだけ触れておくと、一般的に言われる「パッシング・フットボール」を展開する上では「ハイブリット型」の人材が不可欠であると言えるだろう。いわゆるヤヤ・トゥレやブスケツ、以前のヴィエラのような人材を思い浮かべてもらえれば、どのような選手だということか容易におわかりいただけるかと思う。そしてこのタイプの選手は今のユナイテッドにはいないので、別の道を探るか、外から獲得してくる必要がある。これになりうる可能性を持っていたポール・ポグバは自らの意思で去っていった。この件に関しては非常に痛いが、過ぎたことは仕方ない。 香川個人のパフォーマンスにも触れておこう。現地の評価がどうだとかいう報道で溢れかえる日本のマスコミはさておき、私個人から見れば、上手くやっていたように見えた。ただし、全てがポジティブというわけではなく、あくまでまだまだであるという印象も強い。決定機を何度か演出うえ、チーム全体の決定機においても香川は殆ど絡んでいた。だが、そうした役割を果たすことは、チームの勝敗を担うということを意味することでもある。それほどのスキルは持っているし、それを見せていたのは事実だろう。彼が中心となり攻撃を指揮することが出来れば、という可能性は垣間見えた。それを実現させるには連携と信頼がまだまだ足りないという現実も見えた。彼には確かなスキルがある。少々強引な縦パスが入るようになれば、チーム全体にダイナミズムが生まれるはずだ。この試合、ここで香川に縦パスが入れば、という場面も幾度となくあった。それを引き出すにはやはりゴールという結果だろう。それは周りを黙らせ従える。ドルトムントでもそうであったはずだ。ルール・ダービーでそれを成し遂げてからは内外から認められ、いい流れを作ったことは記憶にあたらしい。 昨シーズンは開幕から近年にないスタートダッシュを決めたユナイテッドだが、タイトルは結局逃した。今シーズンは前線も新たに連携を深め、構築する時間が必要だ。本格的なエンジンがかかるのは秋が深まって以降かと思われるが、それまでにどれだけの勝ち点を落とさずにいけるか。開幕戦で見せた課題は非常に多かったが、気が付けば優勝していた、という結果は今年もサー・アレックス・ファーガソンによってもたらされることを期待しようじゃないか。そうやって数多くのトロフィーを勝ち取ってきたのだから。 筆者名 db7 プロフィール 親をも唖然とさせるManchester United狂いで川崎フロンターレも応援中。 ホームページ http://blogs.yahoo.co.jp/db7crf430mu ツイッター @db7crsh01 Facebook {module [170]} {module [171]} {module [190]} 【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名 ラッシュフォードの私服がやばい