2012年11月27日(火) - ラジャマンガラ・スタジアム(バンコク)
Viet Nam
0
0-0
0-1
1
Philippines
得点者
86'
エメリオ・カリンドン

初戦を落としたフィリピンが、ベトナムを相手に0-1と勝利を収めた。苦しい時間帯が長かったものの、後半に打った采配がピタリ。前節退席処分を受けたため、スタンドから試合を見ることが出来たヴァイス監督が指示したのであれば、災い転じて福になったわけだ。

フィリピンは序盤からベトナムの攻撃を受ける立場となった。スペースに入ってくるミドルレンジのボール、ゾーンディフェンスの間に入ってくる選手に苦しみ、押し込まれる展開となった。前半はヤングハズバンド兄弟にボールが収まったため反撃が出来、休める時間帯も長かった。しかし、後半になるとベトナムがショートパスの比率を増加させ、攻撃のスピードを遅らせたことによって中盤が押し下げられ、前線が孤立。攻撃の手立ては限られていた。

しかし終盤、フィリピンは思い切った交代を行う。56分には前線の孤立を防ぐため、ムルデルスに代えてFWのアンヘル・ギラドを投入。さらに66分にフィリップ、75分にジェームスと、チームを支えてきたヤングハズバンド兄弟をベンチに下げたのである。だが、これによってピッチに送り込まれた選手が、ベトナムの攻め疲れを利用して決定的な仕事を見せる。

86分、バイタルエリアでボールを受けたアンヘル・ギラドが前を向き、裏に浮き球を送る。トラン・ディン・ドンが前線に残っていたために空いたスペースをカリンドンが利用して飛び出し、シュート。これがゴールに決まり、土壇場で勝利をもぎ取ることに成功したのである。

もちろんベトナムにとっては非常に悔しい結果である。フィリピンは最終ラインを上げてゾーンマークをしてくるが、間に入ってくる選手を捕まえられない傾向があり、裏のスペースにも強くはない。それを完全に読んだ攻めはしていた。

前半はフィリップ・ヤングハズバンドのマークに苦しみ、最初に当たると反転される、当たらないと繋がれて全部カウンターにされると守備で苦しんだが、後半は徹底してショートで繋いで、フィリップに対してのサポートを絶つという手段で克服した。

しかし計算違いは二つ。一つはもちろんペースを握っていても大きなチャンスは乏しく、攻撃力を欠いたこと。もう一つは終盤の交代で、トップ下のアンヘル・ギラドがボールを収める役割、ワントップのヴォルフが掻き回しをするようになったフィリピンの変化に対応できなかったこと。これが大きなツケとなって帰ってきた。

(筆:Qoly編集部 K)

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