2013年1月21日(月) - ムボンベラ・スタジアム(ネルスプロイト)
Zambia
1
1-0
0-1
1
Ethiopia
ムベスマ
45+3'
得点者
65'
アダネ

前回王者であるザンビアも、今大会の魔物にやられた形で勝利を逃し、引き分けでスタート。エチオピアの粘りに苦しみ、ナイジェリアとブルキナファソという曲者相手に最低1勝をあげなくてはならない状況となった。

ザンビアはアフリカ屈指の好チームであり、献身的な前線からのプレス、流動的な裏への飛び出し、ワンツーの狙いなど連携面に魅力があるチーム。エチオピアよりも格上ということで、ボールを保持して攻める状況となった。

しかし、エチオピアも決して悪いチームではなかった。守備に人数をかけながらも下がりすぎずにコンパクトさを保ち、ボールを奪ってからも一発狙いに賭けず、ボールを繋いで押し上がる。身体的な能力はそこまで高くはないが、足元が上手い選手が多く、それを実現できた。また前線のバランスが良く、特に動き出しを武器にするゲタネーと、キープ力が高いサラディンのコンビはかなり魅力的である。

これがカウンターに魅力があるザンビアを引き出すことに繋がり、大きなチャンスはエチオピアに先に訪れる。7分にはヒムーンデがバウンドしたボールを処理し損ねたところをゲタネーが奪ってループシュートを放ち、わずかに上に外れたが得点に近づいた。

そして23分、ゲタネーが右サイド寄りの位置に飛び出して折り返し、パスを受けたサラディンがルングに倒されてPKを獲得。エチオピアに決定的なチャンスが訪れた。しかし、サラディンのシュートはムウェーネに止められ、またも得点に結びつかなかった。

こうなると流れはザンビアへ。36分の場面はエチオピアにとっては試合が壊れる可能性もあった大きなミスであった。シンカラのパスで裏に飛び出したルングに対し、ジェマルが前に飛び出してタックル。シュートを外させることには成功したが、ジェマルはこのプレーで足を負傷した上にレッドカードを受けて退場してしまう。

一人少ない状況に追い込まれたエチオピアは、さらに前半終了間際に守備が決壊。ムベスマのポストからシンカラがダイレクトで前に送り、チャンサがヘッドで流して、動き直して前に飛び出したムベスマがシュート。華麗な連携を許し、失点を喫した。

しかし、エチオピアは精神的にも意外にタフだった。この失点だけではなく、後半開始時にかけた激しいプレスがするっとかわされて危ない場面を作ったものの、ベタ引きにならずに集中力を保った。

そして65分にカウンターからチャンスを生かす。右サイドからのスローインを基点に攻め込み、投入されたばかりのアディスの縦パスをサラディンがポスト。右に流したボールをアダネがシュートに持ち込み、ゴールに決めたのである。

この得点は大きな影響を与えた。ザンビアは追加点をあげるために前線に人数をかけ、逆にエチオピアはボールを収める能力があるサラディンにスペースが与えられ、押し込まれっぱなしになることを避けることが出来たのである。

とはいえザンビアにチャンスがなかったというわけではなく、むしろ何点か取れる可能性はあった。特に押し込んでからのクロスでは比較的フリーの選手が作れ、ムベスマやムレンガにフリーでヘディングできる機会が訪れた。

しかしザンビアはここで決定力を欠き、シュートを枠に飛ばすことが出来ず。グループ最弱と目されたエチオピア相手に勝ち点3を取り逃したことは、前回王者にとってはかなり難しいものとなりそうだ。

(筆:Qoly編集部 K)

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