「CLとクリスティアーノとプレビュー」

これほどのビッグマッチ、色々な方が事前予想をしており二番三番煎じという形になるだろうが、一応私も書かせていただこうと思う。

とうとう白いユニフォームを着た「息子」と対峙する時が来た。レアル・マドリーが二位抜けしたおかげなのかせいなのか、決勝トーナメント初戦でいきなりこの組み合わせである。CLだから起こりえるのだが、おかげでマドリーは自身を含めた世界で上から順に指で数えて挙げられるクラブとひと月弱で5試合も戦わねばならないという、視聴者には嬉しい日程を過ごす羽目になった。

前回のユナイテッドのマドリーとの対戦を思い返せば俗に言う「スパイク事件」と「フェノメノ劇場」だろう。そういえばこの時もホーム&アウェーの順番は今回と同じだ。これに関してはYoutubeなり思い返すなりしていただくに留めておき、今回の対戦について掘り下げていこう。

まず、マドリーはリーグ戦もCLでも、昨シーズンのようなパフォーマンスを見せているわけではない。リーグ戦に関してはほぼ絶望的だ。とは言え、個のタレントは群を抜いているのは言うまでもなく、噛みあいさえすればその破壊力は説明するに及ばない。さて、そこをユナイテッド、サー・アレックス・ファーガソンはどのように戦うのであろうか。

ドルトムントがマドリーを崩した試合では、マドリーがドルトムントのハイペースについていけなかったという印象だ。ドルトムントのディシプリンはヨーロッパでもトップクラスと言え、90分間それが保つことが出来るだけ鍛えられている。マドリーはそれに屈した形だが、それをそのままユナイテッドが取り入れることは難しい。ファン・ペルシーとルーニーは前から追えるが、後ろが追いついてこない。というよりもそこまでの統制はユナイテッドにないことは今シーズンの失点数を見ても明らか。プレミアリーグ、アーセナル戦でアルテタやウィルシャーに仕事をさせなかったルーニーが、シャビ・アロンソに対して同様の仕事を請け負うと思われるが、問題はこの先である。アーセナルとマドリーとではその前線の破壊力が異なる。アーセナル戦では中盤もコンパクトに保って前線が沈黙していたものの、マドリーはそこを飛ばしても強力なタレントが前線に揃いに揃っている。よって、どこまでルーニーが前から追いかけるのか、という点においては少し疑問なのだ。とは言えシャビ・アロンソを自由にしては押される一方になりかねないのでここはしっかりとケアするだろう。果たしてどの高さからユナイテッドは追いかけ始めるのか、ここが1つ見どころになるのではないだろうか。

互いにポゼッションよりもカウンター寄りのチームであるが、カウンター合戦になればどう考えてもユナイテッドの分が悪い。マドリーの方がタレントの自力勝る以上、ユナイテッドが受けに回ると個人的には見ている。マドリーはベストメンバーで望むだろうが、ユナイテッドはそれに合わせた形になるだろう。となると読めないのはユナイテッドの両ウィングと右サイドバックだ。特にウィングはけが人と調子の上がらなさから毎週とっかえひっかえな状態が続いている。ウィングは強力なマドリーの前線に対して二人で守る形が多いと予想される中で、不調が続くバレンシア、ウェルベック、香川、怪我から復帰したナニ、はたまたギグス、これをどのように配置するか。そしてマドリーの左サイドに配置されるであろうクリスティアーノに対して、ラファエルなのかジョーンズなのか。ユナイテッドとしては1stレグで、引き分け、もしくは負けるにしても1点差以内のスコアでアウェーゴールを確保してオールド・トラッフォードに帰りたいだろう。もちろん勝つという選択肢が無いわけではないが最低ラインの話だ。これを踏まえてどう出るか。当日のスターティングラインナップのウィングが誰かでユナイテッドがどう出たいのか、ということが伺えると思われる。ここが2つ目の見どころだ。

そしてもう一つの懸念がミドルシュートだ。デ・ヘアはレスポンスこそ素晴らしいものがあるが、シュートを弾く技術というのがまだ不完全だ。超人的な反応でシュートをセーブしても、弾く場所が悪かったためにこぼれ球を押し込まれるということがしばしばある。必死にセービングを見せる中で、不運なこともあるだろうが、そうとも言えない場面がちらつくのも事実だ。となれば、度々我々を喜ばせてきたあのNikeのスパイクを履いた右足が、ところかまわず我々に牙を向け続けることは間違いない。

サイドでのイニシアチブ争いは苦しいのだから、ユナイテッドはルーニーとファン・ペルシーがどうにかするしかない。今シーズンこれまでの戦いそのままに、この二人の出来にユナイテッドはかかっている。

さてこの試合。面白いのは2試合180分間だけではない。なにせファギーとモウの組み合わせである。マスメディアにとってはこれほど美味しい組み合わせはない。互いに年齢は関係なくその力量と実績、人間を認め合い、「同類」としてポジティブな関係にある2人。良くも悪くも今のプレミアにはファーガソンが燃え上がるほどに戦える相手がいない。ムッシュ・ヴェンゲルもクラブの成績と共におとなしくなってしまった。後にも先にも「口で」ファーガソンとやりあえたのはモウリーニョ以外にいない。今では友好な関係にありすぎてワインがどうのこうの申しており、以前のようなピリピリとした雰囲気が味わえないのは少しさみしかったりもする。

世界中が注目するビッグマッチ、ルーニーには是非とも元カノより今カノとのラブラブ度を見せつけていただき、マドリー側のゴールネットに何度も叩きこんで欲しいわけでございますが、クリスティアーノに同じ事されそうな気もしなくもない。さてはて、どうなることやら。

※選手表記、チーム表記はQoly.jpのデータベースに準拠しています。

筆者名 db7
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