今回も前回に引き続き、今シーズンの”メインキャスト”をベストイレブンという形で表彰していきたい。
上図は筆者が選んだベストイレブン(今回は中盤の選手のみ)である。早速、当該選手の選考理由と次点の選手を紹介していこう。
<セントラルMF部門>
最優秀:マイケル・キャリック(マンチェスター・ユナイテッド)
選考理由:アレックス・ファーガソン前監督が絶対的な信頼を置いていたのがこのイングランド代表MF。落ち着いたボールキープと巧みな散らしに加え、ポジショニングの良さで相手アタッカーの長所を上手く消していた。昨シーズンに続いて素晴らしいパフォーマンスを披露し、チーム内の選手投票による最優秀選手にも選ばれた。
最優秀:スティーブン・ジェラード(リヴァプール)
選考理由:ブレンダン・ロジャース新監督の下でも、絶対的な柱として活躍。キレのあるパフォーマンスを見せた欧州選手権での好調ぶりをシーズンでも維持し、レッズを文字通り牽引した。局面をガラリと変えるサイドチェンジや強烈なミドルシュートなど、持ち前の技巧は円熟味を増した印象だ。
次点:モハメド・ディアメ(ウェストハム)
選考理由:豊富な運動量と自己犠牲の精神に溢れるセネガル代表。入団1年目ながら奮迅の活躍を見せ、昇格チームの残留に多大なる貢献を果たした。攻撃センスも悪くなく、ビッグクラブ相手に貴重なゴールを決めている。アーセナルが獲得に熱心で、今夏に退団する可能性が高い。
次点:ジャック・コーク(サウサンプトン)
選考理由:ディアメと同様に、昇格チームの残留に多大なる貢献を果たした。開幕当初のセインツは失点が非常に多く、なかなか波に乗れなかったが、この男が負傷から復帰してから、安定したパフォーマンスを見せられるようになった。黒子役に徹しながら、与えられた役割を黙々とこなす姿は、さながらスコット・パーカーのようだった。
次点:フランク・ランパード(チェルシー)
選考理由:年齢からくる衰えもあって、以前ほど絶対的な存在的な存在では無くなったものの、リーグ戦15ゴールはチームトップ。ボビー・タンブリングが持つクラブ歴代最多得点記録を更新(通算203得点)するなど、印象的なパフォーマンスを随所で披露した。契約延長も勝ち取ったランプスが新監督の下でどのようなプレーを見せてくれるか注目だ。
<サイドアタッカー部門>
最優秀:ギャレス・ベイル(トッテナム)
選考理由:完全に新たな次元に突入したのが、このウェールズ代表。圧倒的な個の力でチャンスを演出し、ゴールを量産。特に中盤戦から終盤戦にかけて、手がつけられない状態だった。最終的には21ゴールをマーク。そのハイパフォーマンスからクリスティアーノ・ロナウドと比較する声も多かった。トップ下という新境地も開拓しており、今後の成長が楽しみだ。
最優秀:フアン・マヌエル・マタ(チェルシー)
選考理由:加入1年目で驚きを提供したのが昨シーズン。迎えた今シーズンもチェルシーの攻撃をクリエートし、ブルーズの軸として君臨した。エデン・アザール、オスカルといった技巧派たちと絶妙なハーモニーを奏で、チームのスタートダッシュを演出。監督交代後もコンスタントに活躍した。
次点:エデン・アザール(チェルシー)
選考理由:特大の才能を随所で見せつけ、「違い」となったのがこのベルギー代表。多彩なステップ、ターン、切れ味鋭いドリブル突破でプレミアリーグの屈強なDFたちを手玉に取った。守備にも献身的に取り組むなど、激しいプレミアの水に馴染んだ印象だ。継続性を身に付け、もうワンランク上へと飛躍できるか。
次点:サンティ・カソルラ(アーセナル)
選考理由:スペイン時代からその能力の高さを評価されていた男が、入団1年目で早くも「違い」に。正確なスキルと創造性で瞬く間に攻撃の核となった。前半戦はトップ下、後半戦は主に左ウイングとして起用されていたが、どちらで起用されてもその技巧は際立っていた。ファンが選ぶ最優秀選手にも輝くなど、充実のシーズンを過ごす。
次点:セオ・ウォルコット(アーセナル)
選考理由:本職の右ウイングに加え、熱望していたセンターフォワードでの起用がキッカケとなり、完全に一皮むけた印象だ。リーグ戦14ゴールはチームトップ。ロビン・ファン・ペルシーが去ったガナーズを支えたひとりであることには間違いない。相変わらず批判が多いものの、年々着実に進化しているだけに、来シーズンの出来が今から楽しみだ。
以上がセントラルMFとサイドアタッカーの人選である。最終回となる次回は、トップ下(セカンドトップ)とストライカーを選考したいと思う。次回の「プレミアリーグ、2012/13シーズンの”メインキャスト”」に乞うご期待!
2013/6/2 ロッシ
筆者名:ロッシ
プロフィール:エル・シャーラウィ、ネイマール、柴崎岳と同世代の大学生。鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホック、ビジャレアルを応援しています。野球は大のG党。
ツイッター:@antelerossi21