数週間単位での短期ローン(レンタル)移籍も珍しくないイングランド。

それにしてもいくらなんでも短すぎるだろう…というローン移籍を巡る話題が現地メディアで伝えられていた。

その当時者となったのはアーセナルの出身でアストン・ヴィラやマンチェスター・シティにも在籍していたことがあるGKスチュアート・テイラー。

現在はイングランド2部のレディングに所属する32歳のテイラーは今週月曜日に同じく英2部のヨーヴィル・タウンへレンタル移籍した。 今季3部から昇格してきたヨーヴィルはキーパーが危機的状況にあることから、テイラーを緊急補強した形で、レディングのスポーツディレクターであるニック・ハモンドも「スチュアートにとっていくつか試合をするいい機会だ。 我々は(ヨーヴィルの監督)ギャリー・ジョンソンといい関係にあるし、どちらにとっても都合のいいことだ」と述べてベテランGKを送り出した。

当初レンタル期間は1か月の予定だったが、その後『個人的な理由(personal reasons)』によってテイラーは加入から48時間ほどで退団。

それでも、18日にヨーヴィルのホーム、「ハイッシュ・パーク」で行われたラトビア代表とのフレンドリーマッチでテイラーは45分間プレーしており、一応新天地デビューは果たしている。

『個人的な理由』の詳細は明らかになっていないが、ヨーヴィルのGK事情は切迫している。

今季開幕2試合目にしてチェコ人GKマレク・シュテフが負傷離脱したことで、ウォルヴァーハンプトンからウェールズ代表経験もあるGKウェイン・ヘネシーをレンタル補強すると以後、そのヘネシーがレギュラーとして起用されてきた。だが、今月17日にヘネシーがレンタルバックでウルブスへ復帰してしまい、 負傷中のシュテフも復帰までまだ1か月は要するということで、テイラーを緊急補強したはずがそのテイラーがあっという間にいなくなってしまったために、 『Metro』によれば現在チームでプレーできるGKはクリス・ダンひとりだけだという。(ベテランのギャレス・スチュワートもいるはずだが、その点には触れられていない)

ヨーヴィルのギャリー・ジョンソン監督は引き続き、補強可能なキーパーを探しているそうだ。

ちなみに、今季ヨーヴィルへの短すぎるローン移籍を経験したのはテイラーだけではない。

マンチェスター・ユナイテッドの若手GKサム・ジョンストン(20歳)も8月に3か月の予定でレンタル加入するも、1試合に出場しただけで、わずか4日ほどでレンタルバックしている。 ただし、ジョンストンの場合はシュテフ→ヘネシーへの引き継ぎの間を埋める役割だった可能性もある。 この当時、ヘネシーはハムストリングを軽く痛めていた影響からレンタル移籍が一旦見合されていたようで、リーグ第3節にジョンストンが出場した後、4節以降はレンタルが正式に決まったヘネシーがゴールを守っている。

テイラー退団を伝えるヨーヴィルのTwitterには『オレたちはキーパーを獲れなかった』というファンの嘆きのコメントも届いており、今後のチームの補強動向が注目される。

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