では具体的な目標となるとどうだろうか。
開催国ブラジル代表を率いるフェリポンに「(トーナメントで)最も戦いたくない相手」と言わしめるほど、瞬間的な爆発力の面では出場国のなかでもトップレベルのチリ。
しかし南米予選のアウェイ・コロンビア戦で3点をリードしながら追い付かれたように脆さも同居しており、大会はグループ3試合、トーナメント最大4試合の長丁場。全試合をハイテンションの状態のまま戦い抜けるかというと大いに疑問は残る。加えて心配なのが怪我人の多さだ。1月にスアソ、そして大会前にマティアス・フェルナンデスが負傷により離脱。更に先月手術したビダルの回復状況も危惧されており、サンパオリ監督は提出期限ぎりぎりまで選手選考に頭を悩ませた。もしビダルが使えないとなれば途端に厳しさが増すだろう。
しかし、それでも日本人の平均身長にさえ劣る彼らが近代フットボール、それも結果が特に重んじられる代表戦において、リスクを負うことを恐れず突き進む姿には胸を打たれるものがある。もし彼らが前回優勝のスペイン、同準優勝のオランダが同組という極めてレベルの高いグループでそのスタイルを貫き、同時に結果を残せたならばそれは日本サッカー界がこれから進むべき方向を示すヒントにもなるはずだ。我々はその戦いを自らの目で確かめる必要がある。
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