クロースはバイエルン在籍時、来年2015年に契約が切れる選手としてクラブは契約延長を打診していた。クロースとその代理人は年俸の大幅アップを要求していた。三冠に大きく貢献した選手であり、当時450万ユーロほどと言われていたクロースの年俸は他と比べ相当に低かったことから妥当な要求である。
ラームやシュバインシュタイガー、リベリーなどのベテラン組は1000万ユーロを超えており、ミュラーも契約延長で1000万ユーロほどに上がったと言われている。
そしてクロース側が恐らく納得できなかった点はまださしたる実績をクラブで残していないゲッツェやティアゴが自分よりはるかに高給取りだということであっただろう。ゲッツェはリベリーと並んで1200万ユーロと言われているし、ティアゴは800万ユーロであった。
そして代理人は800万ユーロへの昇給を要求していた。上記の数字を見ると、これでも控えめな要求だなと思えそうだが、クラブはこれに応じなかった。クラブはクロースへの最高提示額を700万ユーロとし、それ以上の譲歩は見せない姿勢を明らかにしたのだった。客観的に見て、1000万ユーロ以上の提示をしてもおかしくないはずだったが、クラブは断固として許さなかった。
そこにマドリーがやってきて簡単に話をまとめていった。ちなみにマドリーがクロースに与えている年俸は1200万ユーロと言われている。放出が決まった後ペップは全てをやったと話していたが、決してそうとは言えないだろう。
金で示せる信頼や誠意は存在する。それをクラブやペップは怠り、ワールドカップ優勝の原動力にもなったスターの放出を許した。
今後クロースは全盛期をスペインで過ごすことになるだろうが、これからチームにもたらすタイトルの数を見てみれば、バイエルンが移籍交渉で得た3000万ユーロや、年俸で渋った1000万ユーロがどれだけはした金だったかを理解することになるだろう。
筆者名:平松 凌
プロフィール:プロのフットボールライターを目指して、日々修行中。現在自分が何を書くのを得意としてるのか模索しています。自称国内屈指のバイエルンファンであり、話題に事欠かないチームに感謝してツイッターでは情報配信しています。
ツイッター:
@bayernista25