インドで新しく発足される新リーグ「インド・スーパーリーグ」には、元フランス代表MFロベール・ピレス、同代表FWダヴィド・トレゼゲら往年のスターが多数参加表明をして話題になった。

このリーグは、インドに元々ある1部リーグである「Iリーグ」とは異なり、サッカー協会が主導した独立リーグであるが、他の国では時に2つ「トップリーグ」が並列でできてしまうケースがある。今回は、世界各国にあるもう1つのトップディヴィジョンを見ていこう。

■マルタ ゴゾ島・フットボールリーグ・ファースト・ディヴィジョン

マルタ第二の島であるゴゾ島にあるサッカーリーグ。マルタのトップリーグである「マルテーゼ・プレミア・リーグ」とは別に1937年に発足し、80年近い歴史のある由緒あるもの。

マルテーゼ・プレミア・リーグに参加しているチームは全てマルタ島に本拠地を置くチームで、島国ならではの理由もありそうだ。イングランドでもプレーしたマルタ代表FWダニエル・ボグダノヴィッチが今年冬にマルテーゼ・プレミア・リーグのフロリアーナからゴゾ島のヴィクトリア・ワンダラーズへ移籍するということで少し話題となった。

ちなみにゴゾ島はFIFA未加盟の代表チームもマルタ代表とは別に作っており、VIVAワールドカップなどに参加している。

■インドネシア リーガ・プレミア・インドネシアとインドネシア・スーパー・リーグ

2011年に、従来のトップリーグである「インドネシア・スーパー・リーグ」と新リーグ「リーガ・プレミア・インドネシア」に分かれる騒ぎとなった。

インドネシアではサッカー熱がある一方で、八百長やクラブ運営での財政面など解決できない問題が多いことを理由に新リーグ構想が立ちあげられた。当初、インドネシアサッカー協会や代表監督はこれを拒否し、インドネシア・スーパー・リーグの選手のみを代表に選出するなどすったもんだがあったが、同年、サッカー協会が「インドネシア・プレミアリーグ」を創設し公式のトップリーグに、PTリーガ・インドネシアが運営する「インドネシア・スーパー・リーグ」は独立した別リーグ扱いとなり事実上トップリーグを取って代わられることとなった。

しかし、2013年をもって「インドネシア・プレミアリーグ」は終了しトップ7チームがスーパー・リーグへ移籍、2014年は再び「インドネシア・スーパー・リーグ」がトップリーグ扱いとなっている。日本人選手も多く在籍し、元日本代表MF酒井友之選手がペリシラム・ラージャ・アンパットでプレーした経験がある。

■北キプロス ビリンジ・リグ

1955年に発足した北キプロスのサッカーリーグである。

キプロスは南北で事実上違う国なのだが、北キプロスはトルコ軍が勝手に占拠した作った国としてトルコ以外からは国家として認められていない。サッカーはおろか、諸外国貿易すらなく、貨幣もトルコのもの、住民も99%がトルコ系とトルコの海外県の様な状態となっている。

こうした政治的背景から、北キプロスのサッカーリーグは50年以上の歴史がありながらUEFAの表舞台に出てくることはない。ゴゾ島で同じくUEFA未加盟でありながら北キプロス代表チームも存在し、同リーグの選手が参加している。UEFAに加盟しチャンピオンズ・リーグでも一定の成果をあげている(南)キプロスとは大きな格差が生まれてしまっている。

■コソヴォ フットボール・スーパーリーグ・オブ・コソヴォ

今夏バルセロナへ移籍したウルグアイ代表FWルイス・スアレスに出場停止中だけ参加はどうか?とオファーしたハイヴァリアが在籍しているのがコソヴォのトップリーグである「フットボール・スーパーリーグ・オブ・コソヴォ」である。当サイト「裏ワザすぎる!FIFA未加盟コソボのクラブ、スアレスにローン移籍のオファーか」でもとりあげた通り、FIFAやUEFAには未加盟で、国際的にはセルビアの一地域という扱いとなっている。

ちなみに、元ユーゴスラビアの各地域はこうしたごだごだが多く、ボスニア・ヘルツェゴヴィナも独立当初はボスニア・クロアチア系のリーグと、セルビア系の「スルプスカ共和国リーグ」という2つのリーグが存在していた。(現在はスルプスカ共和国リーグはボスニアのリーグに統合されている。)この様に各国、理由は様々ながら国内にトップリーグが2つ以上存在しているというのは何とも不思議である。

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